ご意見をこちらのBBSへどうぞ.特に恒例のビーム物理研究会研究会という名の 集まり(昨年までのプログラムはこちら )を,今年はどのように行うかについて,みなさんのご意見をお待ちしています.
ICFA Beam Dynamics Newsletter 最新27号が こちらからダウンロードできます.
第1巻 第1号***第2号***第3号***第4号***第5号***第6号***第7号 ***第8号 ***第9号 ***第10号***第11号***第12号
第2巻 第1号***第2号***第3号***第4号***第5号***第6号
ビーム物理研究会へのお誘い
会合7/18
報告 AACとEPSの2件があります
プロシーディングス
ネットでお勉強
ビーム物理同好会は1996年に結成され、同好会として特に規則ももうけずに活動してきました。この間、ビーム物理の重要性はますます高まり、より正式な、顔の見える組織を結成する必要性が認識されるようになり、2001年より、ビーム物理研究会と改名し、会則の整備等を行なってきました。
2002年の日本物理学会総会(立命館大学)から、「新領域」としてビーム物理の分科会も開催されました。今後、会員の確定、会員名簿の公開(所属、氏名)、総会の開催、等を行ないビーム物理の研究団体として活動していくつもりです. ビーム物理をさらに発展させ、分野としての成立を促進するため、関心ある方の参加をお待ちしております。
入会ご希望の方は,入会申込書を
こちらからダウンロードして,上記事務局に郵送して下さい.メール添付とフアックスはお断りします.
世話人2名の紹介が必要です.紹介がない場合は審査をさせていただきます.なお,ビーム物理研究会は当分、会費を徴集しません.
■8/7-9 リニアック技術研究会 京都テルサ.
■8/19-23 LINAC2002 Gyeongju (Kyongju), 韓国.
■8/26-29 OHO'02「電子線形加速器の基礎」 KEK.
恒例の夏の学校です.科目と講師は...
電子線形加速器の概要(小川雄二郎)電子源(栗木雅夫)ビーム輸送(奥木敏行)加速管・立体回路(山口誠哉)陽電子源(紙谷琢哉)制御(古川和朗・上窪田紀彦)高周波源(道園真一郎)ビーム計測I (諏訪田剛)ビーム計測II (阪井寛志)
■9/2-6 The 26th Advanced ICFA Beam Dynamics Workshop on Nanometer-Size Colliding
Beams (NANOBEAM 2002).
Lausanne, Switzerland. http://www.cern.ch/nanobeam/Practical_info.htm
Mini-Workshop on Measurement of Beam Energy in Linear Colliders も同時に同じ場所で開催されます.
■日本物理学会秋季大会 9/13-16 素・核・宇 立教大学池袋 9/6-9 物性 中部大学.
中部大学で 9/8(日) 1330-1715 シンポジウム「レーザーとプラズマによる粒子加速器」SQ会場.田島・宮本・上坂・大道・近藤・小山・北川.
■10/7-8 第11回自由電子レーザー研究会「技術開発とその利用」 東京理科大学野田キャンパスセミナーハウス.申し込み felsut@rs.noda.tus.ac.jp 7月末日
■10/22-25 The Sixth International Conference on Charged Particle Optics (CPO-6) Greenbelt Maryland, near the University of Maryland. http://www.ireap.umd.edu/CPO-6/
10/14-18 10th: Slow extraction, BNL
10/21-25 11th: Diagnostics, ORNL
4/2-4/2003 12th: Space charge simulations, RAL
■11/10-16 2002 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference Norfolk, Virginia, USA. http://www.nss-mic.org
■1/7-12/2003 The 28th Advanced ICFA Beam Dynamics Workshop on Quantum Aspects of Beam Physics, Hiroshima.
■7/7-11/2003 ICFA International Workshop on Laser Beam Interactions, St Catherine's College, Oxford. 7/18
AAC2002(2002年先進加速器概念Advanced Accelerator Conceptsに関するワークショップ)
北川米喜(阪大レーザー研)
6月22日(土)〜29日(土)米国、カリフォルニア州、オックスナード,エンバシースウィートで上記会議が開催された.このシリーズは、3年毎にアメリカ国内で開かれ、今年でちょうど10回目の会議である。最初の会議は、1982年ロスアラモスで開かれ、筆者には1989年アロウヘッドの第6回会議以来の出席である。1989年(正しくは、1990年1月)は、米国、カナダ、日本が炭酸ガスレーザービート波の先陣争いにしのぎを削っていたときで、カナダの成果がわずかにあってアメリカに無視されていたときであった。その1年後日本、2年後米国、フランスと実証実験がPRLに発表され、第2世代に入ったという感想がもたれた経緯がある。この会議の意義は、米国主導ながら、ここで承認されるとその事象は先進加速器分野に受け入れられるということであろう。
会議は7分科のほぼ並行セッションであった。レーザープラズマ加速の成果は、
(1) 世界最高加速電場は、自己変調航跡場によるフランスLOAの200 GV/m に対して阪大の350 GV/m が受け入れられたらしいこと。
(2) 世界最高加速電子は、同じくフランスLOAの温度18 MeV, 全加速電子数5 nC, 最大エネルギー100 MeV 以上。自己変調航跡場は電子密度10^19/cm3で得られる。
(3) 加速限界の克服を目指し始めたこと:
レーザーの回折 Diffraction、レーザーとプラズマ波の位相不整合Dephasing、レーザーエネルギーのへたりPump depletion、加速場と電子の位相不整合 Dephasingが問題点との認識がもたれた。
(4)前項の解決法として、それぞれ、プラズマチャンネル,テーパーチャンネル、多段加速があり、特にプラズマチャンネルに関して、 マイク・ダウナーのアキシコンレンズによる予備プラズマの形成、ブリジット・クロスのガラス細管のレーザー透過実験の報告が挙げられる。阪大で100psレーザーで1984年に行った実験のやき直しではあるが、そのときの結果からは、改善は図られる方向であろう。
(5)レーザー加速の課題のひとつは、加速エネルギーが単色でないこと。そのため位相をそろえて後からレーザーを注入し、一種のレーザークーリングによって加速電子のエミッタンスを改善する実験がUCLAなどから報告された。なおUCLAでは数十ピコ秒まで圧縮した炭酸ガスレーザーによるビート波加速の実験を発表した。成果は出始めたが今ひとつである。あまりにもソフィステイケイートな実験でクリス・クレートンの執念がにじみ出す。次回、わがほうの超短ビート波で再度日米決戦が戦えればいいのだが。
以上が、成果の幾分かであるが、更にブラシュアップされて、秋のAPSにでてくるであろう。
さて、分科会は、
(1) 計算機を用いる加速器物理
(2) 高エネルギー密度物理及び新規加速概念
(3) ミリ波光源
(4) 電子ビーム駆動加速器
(5) EM構造加速器
(6) レーザープラズマ加速
(7) ビーム発生/モニター、制御
の7分科である。これがすなわち米国加速器科学の中での先進加速器分野の分科に対応するとのこと。(2)は昨年のAPSでロナルド・ダビッドソンを担いで旗揚げしたものである。(1)、(2)、(6)がプラズマの関係した新規概念加速とすると、(3)、(4)、(5)、(7)が、従来型の加速器の先進化を担うものであろう。この分科毎に年間約100万ドルの予算がつくとのことで、先進加速全体としては、700万ドル、8億乃至9億円となる。ちなみにレーザープラズマ加速の米国研究者は100名程度、半分は学生とのこと。日本はその3分の1程度であろうか。日本も国力からいって数値にはそんなに遜色ない。欧州の国々と比べても悪いことはない。個々の努力を怠ると一瞬にして取り残されるが....
全体で130人、日本からは、東大、宇都宮大、原研関西、阪大から出席した。レーザープラズマ分科以外はほとんど報告できなかったが、AIPからプロシーデイングが刊行される筈である。
29th-EPS 会議報告
小山和義 (産総研)
2002年6月17-21日
Montreux, Switzerland
Montreux Convention Center
ジュネーブ空港で飛行機から出たら、物凄い熱さにびっくりした。その後、連日カンカン照りで30度を超す猛暑。ホテルはもちろん、レストランにもエアコンはなく、大変な日々であった。
会議の正式名称は、29th EPS Conference on Plasma Physics and Controlled Fusionで、核融合関連研究に関する発表が圧倒的に多いが、今回は、主講演と並行して、3テーマについて専門家セッションが設けられ。その内、「レーザー加速」に関するものが、BinghamとMeyer-ter-Vehnの音頭により、17-18日に開かれた。
プログラムおよび全てのアブストラクトは、webサイト(http://crppwww.epfl.ch/eps2002/)から、pdf形式でダウンロードできる。また、近々、4ページの論文も、webサイトで見る(ダウンロードする)ことが、できるようになるはずである。ここでは、モントレー周辺の風景写真も見ることが出来る。
主(招待)講演中、プラズマ加速および超高強度生成レーザープラズマ応用に関するものとして、
Muggli(USC,米)の「SLACにおけるプラズマ航跡場実験」、
Pesme(LULI,仏)の「慣性核融合に向けたMJ級レーザー計画のためのレーザープラズ・span >}相互作用の研究」、
Roth(GSI,独)の「超高強度レーザーによる高品位イオンビーム生成」、
Kodama(ILE,日)の「超高密度プラズマの高速加熱」、
Krushelnick(Imperial,英)の「高強度レーザーとプラズマ相互作用による、超強磁場発生と高エネルギービーム発生」
などを、挙げることができる。専門外の参加者にも分かりやすくするために、わかりやすまとめられている。
レーザー加速の専門家セッションでは、口頭ポスターそれぞれ23件と13件の発表があった。発表は、ビームの品質の向上に関するものと、応用に関するものが多かった。
現在観測されている電子ビームのエネルギー分布関数は、マックスウェル分布やベキ乗分布を示している。エネルギースペクトルを、できるだけ単色化するためには、
(1)中空状電子密度分布を持ったガイドプラズマ中での航跡場励起と、
(2)航跡場への超短パルス電子の入射が、
必要であるとの認識が広まってきた。特に、超短パルス(パルス幅がプラズマ振動・span >・?ニ同程度以下)の場合には、自己集束効果が期待できないので、レーザー加速にとってプラズマガイドは必須の技術である。
プラズマガイドに関する実験は、フランス(LOA、パリ南大学)から報告された。パリ南大(ブリジット クロス)での実験は、レーザー横モードを制御して単一モード化すれば、0.1mm直径のHe充填(2-mBar)ガラス細管の表面近傍では電場強度が小さくなるので、細管を破壊することなくプラズマガイドを形成できると言っている。実験では、1017W/cm
航跡場と電子入射の組み合わせとして、LILAC(レーザープラズマ入射=レーザー加速)方式の提案がある。この命名は米国(ミシガン大学CUOS)によるものである。今回はCUOSのウムスタッターからの発表(解説)がなされたが、今回の発表の他にもいくつかの提案がある。航跡場以外の加速機構も絡み、研究課題の一つである。また同大からは、LILACの一環として、2ビームのレーザーで形成される定在波が作るポンデロモーテーブポテンシャルを利用した、超短パルスMeV電子生成実験も行っており、興味深い結果を得ている。
エミッタンスは、フランス(LULI,LOA)、日本(産総研)で測定している。特にフランスのグループはエネルギー弁別をして測定しており、高エネルギーに範囲を限った場合には従来の加速器に比べて小さな値を得ている。
その他、米(SLAC)、英(RAL)や仏(LOA)で、従来加速器出力の追加速実験や他の大きな計画が立てられ、進行中である。
他にも、ビート波加速の発表がUCLA(クレイトン)から、超強磁場発生に関する発表が行われるなど、多くの発表があった。
以下の会合のプロシーディングスがpdf形式でダウンロードできます.
■HEACC 2001 3/26-30/2001 Tsukuba.
■PAC2001 6/18-21/2001 Chicago.
■第25回リニアック技術研究会 7/12-14/2000 SPring-8.
Physical Review Special Topics-Accelerators and Beams (PRST-AB) をご存じですよね. The journal covers the full range of accelerator science and technology: subsystem and componenttechnologies; beam dynamics; applications of accelerators; and design, operation and improvement of accelerators used in science and industry. This includes high energy and nuclear physics, synchrotron radiation production, spallation neutron sources, medical therapy, and intense beam applications, among others.ということです.
ところで,以下のビーム物理の教科書がpdf形式でダウンロードできます. すでにホームページに教科書を掲載していて,ここに取り上げても良いという方はご一報下さい.
■生出勝宣 ビーム力学入門 http://www-acc.kek.jp/WWW-ACC-exp/KEKB/KEKB-home.html
■町田慎二 Space Charge Effects http://hadron.kek.jp/member/machida/pub/pub.html
■鎌田進 ビーム物理学入門 http://www-acc-theory.kek.jp/members/kamada.html
■平田光司 "Advanced Single Particle Dynamics" (RIKEN Winter School on Physics of Beam)(1998) (日本語:単粒子力学上級編) http://www-acc-theory.kek.jp/members/HIRATA.html
■小方厚 レーザー・プラズマ・ビームの相互作用 http://home.hiroshima-u.ac.jp/~beam/ogata.html
■J. Rosenzweig " Fundamentals of Beam Physics" http://www.physics.ucla.edu/class/02W/150_Reiche/notes/,著者はUCLAのBeam Physics Labの教授.