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Fukuda, S.

Paper Title Page
TPCOA21 HIMAC 計測制御システムの更新 484
 
  • T. Takei, N. Shinozaki, Y. Sano
    加速器エンジニアリング株式会社
  • T. Kanai
    群馬大学
  • Y. Takei, M. Torikoshi, S. Minohara, S. Fukuda, Y. Tameshige
    放射線医学総合研究所
 
 

計測制御システムは、放医研HIMAC治療照射系において、線量計測の制御と管理、並びに計測周辺機器の制御を司る。放射線治療において、線量計測は最も重要であり、かつ厳密に管理される必要がある。現行システムでは、その構築制限から保守や拡張が困難、また構成が複雑で専用機器が多い上に、老朽化による故障増加と予備品確保の難しさなどの理由からシステムの更新が望まれていた。システム更新に際し、出来る限り標準機器を用い、保守・拡張を容易にするために、汎用産業用PLCを使用し、状態表示や設定はタッチパネルを採用したシステム構成とした。本思想により構築されたベースシステムは、2006年度よりHIMAC生物照射実験室にて稼動を開始し、培った実績を元に治療照射系への展開のため、必要な機能拡充と更なる高度化を目指した。また、ビーム遮断後に漏れ出る線量も計測し、線量計測と管理の高信頼化を実現した。

 
TOAPA04 放医研におけるスキャニング照射装置開発の現状 758
 
  • T. Furukawa, T. Inaniwa, S. Sato, N. Saotome, T. Shirai, Y. Takei, E. Takeshita, T. Himukai, K. Katagiri, S. Fukuda, A. Nagano, S. Mori, S. Minohara, K. Noda
    放射線医学総合研究所
  • Y. Iseki, K. Hanawa, N. Kakutani, C. Yamazaki, Y. Kanai
    株式会社東芝
 
 

平成18年度より放医研では、HIMACからのビームラインを延長し、スキャニング照射装置、および回転ガントリーを備える新治療室を建設する計画を進めている。ここでは、呼吸性移動臓器に対するアプローチとして、呼吸同期照射と高速な多数回スキャニングを組み合わせることにより、線量分布の悪化を防ごうと考えている。この高速スキャニング照射装置を実証するために、平成20年度は、建屋の建設に先行して、照射装置の設計、および製作を行った。これをHIMAC物理汎用照射室に設置し、ビーム試験をスタートした。これらの進捗状況を紹介する。

 
WOOPF01 KEKにおけるXバンド加速の研究現状と展望 48
 
  • T. Higo, M. Akemoto, S. Fukuda, N. Higashi, Y. Higashi, K. Kakihara, N. Kudoh, H. Nakajima, S. Matsumoto, T. Shidara, T. Takatomi, K. Ueno, Y. Watanabe, K. Yokoyama, M. Yoshida
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

KEKでは、加速器の基礎技術として重要であり、レプトンの超高エネルギー加速器への展開に必須となるXバンド高電界加速の研究を進めている。CLICでの主ライナック用加速管を目標とした評価研究を進めると同時に、そこで生ずる放電に関する基礎研究を進めている。またこれを遂行するRFシステムの拡張も進めている。本報告では、100MV/mの安定加速を実証したこと、無酸素銅に比べてステンレスの放電耐性が大きいこと等、関連する最近の試験結果を示す。更に、研究に必要な高電力施設の状況を紹介するとともに、今後の展開に関する方針を述べる。

 
WOOPE02 KEKB加速器の現状 63
 
  • H. Koiso, T. Abe, K. Akai, M. Akemoto, A. Akiyama, M. Arinaga, K. Ebihara, K. Egawa, A. Enomoto, J. Flanagan, S. Fukuda, H. Fukuma, Y. Funakoshi, K. Furukawa, T. Furuya, K. Hara, T. Higo, H. Hisamatsu, H. Honma, T. Honma, K. Hosoyama, T. Ieiri, N. Iida, H. Ikeda, M. Ikeda, H. Ishii, A. Kabe, E. Kadokura, T. Kageyama, K. Kakihara, E. Kako, S. Kamada, T. Kamitani, K. Kanazawa, H. Katagiri, S. Kato, T. Kawamoto, S. Kazakov, M. Kikuchi, E. Kikutani, K. Kitagawa, Y. Kojima, I. Komada, K. Kudo, N. Kudoh, K. Marutsuka, M. Masuzawa, S. Matsumoto, T. Matsumoto, S. Michizono, K. Mikawa, T. Mimashi, S. Mitsunobu, T. Miura, K. Mori, A. Morita, Y. Morita, H. Nakai, H. Nakajima, T. Nakamura, K. Nakanishi, K. Nakao, S. Ninomiya, M. Nishiwaki, Y. Ogawa, K. Ohmi, Y. Ohnishi, S. Ohsawa, Y. Ohsawa, N. Ohuchi, K. Oide, M. Ono, T. Ozaki, K. Saito, H. Sakai, Y. Sakamoto, M. Sato, M. Satoh, Y. Seimiya, K. Shibata, T. Shidara, M. Shirai, A. Shirakawa, T. Sueno, M. Suetake, Y. Suetsugu, T. Sugimura, T. Suwada, Y. Suzaki, S. Takano, S. Takasaki, T. Takenaka, Y. Takeuchi, M. Tawada, M. Tejima, M. Tobiyama, N. Tokuda, Y. Yamamoto, Y. Yano, K. Yokoyama, M. Yoshida, M. Yoshida, S. Yoshimoto, K. Yoshino, D. Zhou, Z. Zong
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

KEKB加速器は2007年1月に超伝導クラブ空洞を導入し、同年10月以後、順調にクラブ交差による実用運転を行なっている。クラブ交差で高いルミノシティを達成するには、従来のレベルを超えた精密な誤差補正とビーム衝突調整が不可欠である。その一つとして、今期新たに、電子・陽電子両リングに合わせて28台の歪6極磁石を設置し、衝突点における水平垂直結合の運動量依存性を補正したが、この補正が突破口となって、クラブ以前の記録17.6/nb/sを大きく上回るピークルミノシティ20.84/nb/sが達成された。また、1日・7日間などの積分ルミノシティも記録を更新し、現在総積分ルミノシティは953/fbに達している。入射ビームをパルス毎に切り替えてKEKB両リングと放射光リングの3者に同時入射する技術が最近実用化され、衝突調整の効率が向上したことも、今回の成果に繋がっている。

 
WPBDA14 cERL用アークディテクターの開発 323
 
  • Y. Yano, D. Arakawa, H. Katagiri, T. Matsumoto, T. Miura, S. Michizono, S. Fukuda
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

高エネルギー加速器研究機構の次期計画の一つであるERL放射光源の実現に向けた要素技術開発と総合的な動作試験を行うための小型ERL装置(cERL)が建設中である。ハイパワー高周波系では伝送路で起きた放電を感知しRFを緊急停止するためにアークディテクターが必要となる。STFでは直径約50μmの光ファイバーと光電子増倍管を組込んだ光センサーモジュール(H5784)を利用したアークディテクターを使用している。H5784は高感度のアンプを内蔵したモジュールのため検出パルス幅は50μsec以上が必要である。cERLではアーク発生後数μsec以内にRFを停止することが求められている。より高速に反応するアークディテクタを開発するためにH6780(アンプ非内蔵)を用いたアークディテクタを検討した。また、光ファイバーの見直しを行いセンサーにフォトダイオードを用いたアークディテクタを開発した。

 
TPOPA33 小型X-band Linacのためのマルチビームクライストロンの設計検討 708
 
  • T. Yamamoto, M. Uesaka
    東京大学大学院工学系研究科原子力専攻
  • M. Yoshida, S. Fukuda, S. Matsumoto
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

現在東京大学大学院工学系研究科原子力専攻において 試験を行っている非破壊検査用9.4 GHz X-band Linacに 使用している高周波源はマグネトロンである。このマグネトロンは レーダー用に用いられるものであり、出力も小さく小型であるため、 装置全体を可搬型にできるメリットがある。 しかし、自励発振器であるマグネトロンは発振状態が不安定になることがあり、 X線強度が不安定になる可能性がある。 そこで、安定かつ小型な高周波源としてマルチビームクライストロンの採用を検討している。 マルチビームクライストロンは複数の電子銃を使うため、高出力であっても低電圧の陰極で 高周波を誘起できる。 我々は、将来的な産業・医療用小型加速器のために2 MWクラスのマルチビームクライストロンの 設計を開始した。本発表では、設計現状の報告を行う。

 
TOACC01 ILCの新提案-分布型RFシステム(DRFS) 765
 
  • S. Fukuda
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

ILCの基本デザインを国際設計チーム(GDE)で現在展開中である。2007年にリリースされたRDRでは2トンネル案で10MWクライストロンから26台の超電導空洞へ電力分配し、各空洞はLLRFのべベクトルサム制御を行うとしていた。コストの問題から現在1トンネル案が浮上しているが、この1トンネル案におけるRFシステムの一つとしてDRFS(分布型RFシステム)を提案したのでこれについて報告する。基本は比較的小電力のクライストロンから2つの空洞へ電力を供給するもので合計8000本のクライストロンからなる。 報告でこのスキームの概略、コスト、制御上のメリットなどについて報告する。

 
TOACC03 KEK超伝導加速器試験施設(STF)に於ける10MWクライストロン用長パルスモジュレータの開発 773
 
  • M. Akemoto, H. Honma, H. Nakajima, T. Shidara, S. Fukuda
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

STFにおけるピーク出力電力10 MW、rfパルス幅 1.5 ms、繰返し5 Hzのクライストロンを駆動する第2号パルス電源の開発について報告する。この電源は蓄積コンデンサ、IGBT半導体スイッチ、バウンサー回路、1:15の昇圧パルストランスで構成したダイレクトスイッチングパルサーである。特徴は、(1)パルストランスの1次低圧側に直列接続されているLC共振型バウンサー回路によって、20%のdroopを0.5%に補償する。(2)より小型化するために充電器として4台の10 kV、50 kJ/sスイッチング電源を採用し、また蓄積コンデンサにはSH型高密度エネルギーコンデンサを開発した。(3)IGBTスイッチの過電流保護回路を2重化することによってスイッチの高信頼化を実現し従来のクローバ回路は除去した。

 
TOACC05 KEKにおけるcERLシステムのRF源 779
 
  • S. Fukuda, T. Miura, M. Akemoto, H. Katagiri, T. Shidara, T. Takenaka, H. Nakajima, K. Nakao, H. Honma, S. Matsumoto, T. Matsumoto, H. Matsushita, S. Michizono, Y. Yano, M. Yoshida, S. Kazakov, T. Takahashi, S. Sakanaka
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

KEKでは将来の加速器計画としてERLを考えている。その実証実験機としてコンパクトなERL加速器を3-4年計画で建設する。cERLのCDRをもとにRF系も検討をはじめ、一部入射器用300kW・CWクライストロン、同上電源、導波管系ダミーロードなどを発注した。この概略について報告する。

 
FPACA15 STF Phase-1におけるデジタル低電力高周波制御系 947
 
  • T. Matsumoto, H. Katagiri, T. Miura, S. Michizono, Y. Yano, S. Fukuda
    高エネルギー加速器研究機構
  • Y. Okada
    NECネットワーク・センサー(株)
 
 

超伝導空洞を用いるILC (International Linear Collider) 開発に向けて、高エネルギー加速器研究機構ではSTF (Superconducting RF Test Facility) 計画を進めている。ILCでは、加速電場に対して振幅安定度0.07%、位相安定度0.24度の要求があり、高周波源の低電力系でフィードバックやフィードフォワードを用いた制御を行う必要がある。このためデジタル信号処理を使った低電力高周波制御系の開発を進めてきた。 STF計画Phase-1では、1つの高周波源による4台の超伝導空洞を用いた運転が2008年秋から12月末まで行われ、このデジタル低電力高周波制御系の実証試験を行った。本発表では、この試験結果について報告を行う。

 
FPACA16 KEK超電導RF試験装置(STF)のRF源の開発 953
 
  • S. Fukuda, T. Miura, M. Akemoto, H. Katagiri, T. Shidara, T. Takenaka, H. Nakajima, K. Nakao, H. Honma, S. Matsumoto, T. Matsumoto, H. Matsushita, S. Michizono, Y. Yano, M. Yoshida, S. Kazakov, H. Hayano
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

KEKではILC計画を見据えた超電導RF試験装置(STF)を展開中である。4つの超電導空洞へ電力を供給するSTF-I計画を2008年末に終了し、時期の計画への準備(S1-global及びSTF-II計画)に向けて作業中である。STF-1計画では4台の空洞へ異なる2つの電力分配立体回路系を介して電力を供給し、LLRFのフィードバックをかけたヴェクターサム制御を行った。ILCに向けたサーキュレータを取り除いた場合の影響などについても実験を行った。本報告では最新のSTF-1におけるRF源の成果を報告する。

 
FPACA17 STFにおける低電力高周波源の安定性評価 959
 
  • T. Miura, S. Michizono, T. Matsumoto, H. Katagiri, Y. Yano, S. Fukuda
    高エネルギー加速器研究機構
  • Y. Okada
    NECネットワーク・センサ株式会社
 
 

KEKの超伝導高周波試験施設(STF)では、1つのクライオモジュールに 4台の超伝導空洞が収められ、それらにRF電力を供給するPhase-1が終了した。STF Phase-1では、4空洞に対するベクターサムコントロールが初めて適用された。フィードバックの遅延余裕や、他のパスバンドによるRF不安定性について各空洞に対するフィードバックとベクターサムの場合との比較を行った。

 
FPACA20 STFにおける導波管コンポーネントによる超伝導空洞のQ調整 971
 
  • M. Yoshida, S. Fukuda, S. Kazakov, T. Takenaka, H. Matsushita
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

超伝導試験施設(STF)において1台の5 MWクライストロンから複数の超伝導加速空洞への Lバンド導波管の敷設を行ったが、個々の空洞の電圧を調整する方法として、いくつかの導波管の分配構成が検討されている。その中の一つの方式として超伝導加速空洞の外部Q値を位相器と反射器を用いて調整を行う試験を行ったので、その調整方法と結果について報告する。この方法の利点は、超伝導空洞の結合度は冷却した状態で外部から調整する事は難しく、外部Q値を導波管コンポーネントで調整する事で空洞側の結合度を精密に調整する必要が無くなる事、また導波管の分岐比を変える方法に比べて調整幅が広い事である。この方法により個々の外部Q値を均一に調整し、低電力フィードバックの空洞電圧を平坦にする事が確認できた。

 
FPACA22 L-band waveguide elements for SRF application 980
 
  • S. Kazakov, S. Fukuda, M. Yoshida, T. Matsumoto, T. Takenaka, H. Matsushita
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

L-band waveguide elements such as phase shifters, variable hybrids, etc, are described in the work. Elements were designed as air filled ones for several MW power level. Elements are supposed to use in KEK Superconducting Test Facility (STF). Design parameters, results of low and high power tests are presented.

 
FPACA24 Xバンド高電界加速管の100MV/m試験 989
 
  • T. Higo, M. Akemoto, S. Fukuda, Y. Higashi, S. Matsumoto, T. Takatomi, K. Ueno, K. Yokoyama
    高エネルギー加速器研究機構
  • S. Döbert, M. Geabaux, W. Wuensch
    CERN
  • S. Tantawi, J. Wang
    SLAC
 
 

高エネルギーレプトン加速器で用いる高電界加速の基礎研究として、CLIC主線形加速器を想定した加速管の100MV/m試験を行った。1m当たり、250nsパルス幅、50Hzの繰り返しで10時間に一回の放電頻度(5E-7/パルス/m)までに抑えられていることが分かった。これは減衰構造の無い加速管であり、今後減衰構造付の加速管での性能試験を行うが、その際に比較基準とすべき基礎データとなると同時に、100MV/m級での加速の実現可能性を示している。

 
FPACA25 Performance of X-band high power source at KEK 992
 
  • S. Matsumoto, M. Akemoto, S. Fukuda, T. Higo, S. Kazakov, N. Kudoh, H. Matsushita, H. Nakajima, T. Shidara, K. Yokoyama, M. Yoshida
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

Nextef and KT-1 are the two independent test facilities dedicated for X-band (11.424GHz) RF research at KEK. Nextef Modulator drives the twin PPM-focused high power klystrons to produce 100MW maximum and 75MW is available for the accelerator structure test, while KT-1 is powered by a single klystron to conduct fundamental RF high field studies. KT-1 started its operation in 2006 and Nextef has been operating since 2007. We review the recent performance of these high power stations and future plans.

 
FPACA26 Study of RF breakdowns in X-band high field regime 995
 
  • S. Matsumoto, K. Yokoyama, T. Higo, S. Fukuda, Y. Higashi, Y. Watanabe, N. Kudoh
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

A program of the experiment of RF breakdowns under very high field strength of order of 100MV/m is ongoing at KT-1 X-band RF test station at KEK. As a basic research of the RF breakdown phenomena in the accelerating structure, a waveguide both its height and width being reduced (a narrow waveguide) is used to enhance the field. The dependence of breakdown rate on the gradient were measured and the rate of a copper waveguide was found to be larger than that of a stainless steel waveguide.

 
TOAPA02 医用電子クライオリニアックを基盤とするコンパクトERLの開発 752
 
  • I. Sato, K. Shintomi
    日本大学総合科学研究科
  • M. Takahashi, T. Saito, K. Abe, F. Shishikura, T. Yamamoto, K. Ishikawa, I. Murai, T. Fukakusa, S. Takahashi, T. Watanabe, N. Fukuda, H. Nagase
    日本大学医学部
  • K. Hayakawa, T. Tanaka, Y. Hayakawa, Y. Takahashi, T. Kuwada, K. Nakao, K. Nogami
    日本大学電子線利用研究施設
  • S. Fukuda, A. Enomoto, S. Ohsawa, K. Furukawa, Y. Ogawa, T. Suwada, K. Yokoyama, S. Noguchi, E. Kako, T. Tomaru, Y. Namito, H. Iwase
    高エネルギー加速器研究機構
  • A. Miura
    日本高周波
  • K. Maki
    三菱マテリアル
  • E. Tanabe, K. Kanno
    (株)エーイーティー
 
 

日本大学電子線利用研究施設では100MeV級の電子リニアックを活用し、パラメトリックX線放射(PXR)の実用化を進めた結果、PXRはコヒーレントX線源であることを実証した。現在、コンパクトPXRによるがん治療・診断システムの開発研究を進めている。そのための極低温に冷却した電子リニアックによる100MeV級電子リニアックのテーブルトップ化の開発研究を進めた結果、電子クライオリニアックはエネルギー回復機能を発揮させられることを明らかになり、コンパクトPXRによるがん治療・診断装置の実現性と実用化の可能性は一段と強まっている。このシンポジウムでは開発研究成果について発表する。

 
FOAPC02 超高エネルギー宇宙線観測用望遠鏡較正用 小型電子線形加速器の開発 818
 
  • T. Shibata, D. Ikeda, Y. Kondo, H. Sagawa, M. Fukushima
    東京大学宇宙線研究所
  • Y. Iino
    株式会社トヤマ
  • M. Ikeda, A. Enomoto, S. Ohsawa, K. Kakihara, M. Satoh, T. Shidara, T. Sugimura, S. Fukuda, K. Furukawa, M. Yoshida
    高エネルギー加速器研究機構
  • J. Matthews
    University of Utah
 
 

超高エネルギー宇宙線観測を目的としたテレスコープアレイ(TA)実験が2008年からアメリカ・ユタ州で開始された。TA実験では、宇宙線が作る空気シャワー中の荷電粒子やガンマ線を地上で観測する地表検出器と、荷電粒子によって発光する大気蛍光を観測する大気蛍光望遠鏡(FD)を用いている。FDによる宇宙線のエネルギー測定は大気蛍光量を用いて計算される。そこで、40MeV×10^9e^-/pulseの電子ビームを用いたエネルギー較正法が提案された。高エネルギー加速器研究機構にて開発された小型電子線形加速器(TA-LINAC)は2008年1月に完成し、4から12月にかけて試験運転が行われた。この試験でパルス毎のビーム電流測定精度が±6%、出力エネルギーの決定精度が<1%である事を確認した。TA-LINACは翌年の3月にFD観測サイトに移設され、ビーム運転とFDによる観測は今秋を予定している。

 
FPACA12 導波管の電力分配システム(KEK STF) 937
 
  • T. Takenaka, H. Matsushita, T. Matsumoto, M. Akemoto, H. Katagiri, K. Nakao, H. Nakajima, Y. Yano, S. Michizono, H. Honma, S. Matsumoto, M. Yoshida, T. Shidara, S. Kazakov, S. Fukuda
    高エネルギー加速器研究機構
  • S. Aizawa, Y. Kawane
    日本高周波株式会社
  • S. Okamoto
    古河C&B株式会社
 
 

 トーナメント方式およびリニアー方式の導波管システム(PDS)へリフレクタと移相器を挿入し空洞へ高周波電力を入れた。そのときのリフレクタおよび移相器の有効性を確認できた。また、大電力で使用できることも確認してある。トーナメント方式において3dBハイブリッド(可変型)で組んだ場合それぞれのハイブリッドのアイソレーションが影響するので現状ではアイソレータが必要である。 昨年空洞への電力投入で500kWアイソレータが放電を起こしたので改修し試験をしたが幾つか放電を起こしたので分解調査し、今後の課題として検討している。高周波2号機が5MWまでエージング出来たので高周波窓の5MW電力試験を行った。今後5MWの電力透過試験が必要な導波管のコンポーネントについて検討している。また、窒素加圧をして耐圧試験も実施する予定である。今後のS1GとSTF2へ向けた導波管システムの展開も検討している。

 
FPACA55 KEK電子陽電子入射器における高周波源および高周波窓の維持管理 1090
 
  • H. Kumano, Y. Imai, T. Toufuku, M. Baba, T. Morotomi
    三菱電機システムサービス
  • M. Akemoto, H. Katagiri, T. Shidara, T. Takenaka, H. Nakajima, K. Nakao, H. Honma, T. Matsumoto, S. Matsumoto, H. Matsushita, T. Miura, S. Michizono, Y. Yano, M. Yoshida, S. Fukuda
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

KEK電子陽電子入射器では高周波源として60台の大電力クライストロン、8台のサブブースターと呼ばれるクライストロンドライブ用のクライストロンをギャラリーに設置しており、年間約7,000時間の連続運転を行っている。 現在設置しているクライストロンの平均使用時間は約47,000時間である。2008年度は集束電磁石の地絡により1台撤去したが、集束電磁石以外の物には不具合が無かった。集束電磁石のみ入れ替えてクライストロンは使用継続している。 現在設置しているサブブースター用クライストロンの平均使用時間は約35,000時間である。2008年度は2台交換した。 現在設置している導波管高周波窓の平均使用時間は約54,000時間である。2008年度は4個の交換を行なった。 本稿ではクライストロン、サブブースター用クライストロンおよび導波管高周波窓に関する統計、維持管理についてまとめる。

 
WOOPA04 日大LEBRA電子リニアックと光源の現状 18
 
  • T. Tanaka, K. Hayakawa, Y. Hayakawa, Y. Takahashi, T. Kuwada, T. Sakai, K. Nogami, K. Nakao, M. Inagaki
    日本大学量子科学研究所 電子線利用研究施設
  • I. Sato
    日本大学大学院総合科学研究科
  • A. Enomoto, S. Fukuda, S. Ohsawa, K. Furukawa, S. Michizono, K. Tsuchiya
    高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設
  • S. Wakatsuki, S. Yamamoto
    高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
 
 

日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では125MeV電子リニアックを用いた近赤外自由電子レーザー(FEL)とパラメトリックX線(PXR)の学内共同利用を進め、年間2000時間の加速器運転を行っている。冷却装置の老朽化に伴い順次更新を行いながら冷却系の性能向上を図ってきた結果、加速管冷却水温は±0.01℃、クライストロン冷却水は±0.02℃の安定度を達成し、ビーム加速の安定化に大きく寄与した。しかし、電磁石電源の故障発生を始め既知・未知のビーム変動要因があり、不安定要因の特定とその抑制は、特に空間コヒーレントな単色X線であるPXRを回折強調位相コントラスト撮像に利用する上で重要な課題となっている。光源の高度化研究では、FELと非線形光学結晶による紫外領域の高調波、Si(220)結晶による33.2keVのPXRを発生し、利用可能波長範囲を拡張している。