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WOOPB04 | J-PARC MRの遅い取り出し | 30 |
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J-PARCメインリング(MR)では、3次共鳴を利用した遅い取り出しによって、加速された陽子ビームを素粒子・原子核実験施設へ供給する。遅い取り出し装置は、静香セプタム、セプタム磁石、バンプ磁石、共鳴を励起するための6極磁石、それらの電源から構成される。また蹴りだされたビームを診断するためのスクリーンモニターが設けられている。平成19年度に装置の大半が製作され、その後のオフラインでの試験に引き続き装置のインスール作業が行われた。今年の1月に行われたビームコミッショニングで30GeVに加速されたビームを素粒子・原子核実験施設へ導くことに成功した。取り出されたビームのスピルをフィードバックにより平滑化するための4極磁石とフィードバック制御装置はこの夏にインストールされ、秋からのビームコミッショニングで試験を行う予定となっている。以上の内容に加えて今後の課題についても報告する。 |
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WOOPE04 | J-PARCハドロン実験施設の建設とビームコミッショニング | 70 |
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J-PARCハドロン実験施設は、50GeV陽子シンクロトロン(MR)から取り出された陽子ビームを実験室(ハドロン実験ホール)の二次粒子生成標的に照射し、K中間子等の二次粒子を発生させ、それらを用いて様々な原子核・素粒子物理学実験を行う施設である。MRにおいて30GeVに加速された陽子ビームは、3次共鳴を用いた遅い取り出しシステム(取り出し時間0.7秒)によって取り出され、ハドロン実験ホールに輸送される。2009年1月27日にMRからの最初の取り出し試験を行い、同日午後7時35分にハドロン実験ホール最下流のビームダンプまで無事輸送されたことを確認した。本講演では、ハドロン実験施設の建設とビームコミッショニング、そして今後の計画について報告する。 |
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WPAPA01 | J-PARCハドロンターゲットステーションにおける大型真空箱"ペンタゴン" | 73 |
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J-PARCハドロン実験施設に設置されたターゲットステーションは、二次粒子生成標的T1とその直下流の真空箱とから成る。この真空箱は、高さ5.7m、ビーム方向の奥行き3.0m、容積29m3という大型のもので、その形状から通称「五角形、PENTAGON」と呼ばれている。真空内には、T1を起点とする二次ビームラインの最上流電磁石3台とビームコリメータが収納される。さらに、メンテナンス時の作業被曝を最小限に抑えるため、鉄2mとコンクリート1mの放射線遮蔽ブロックも真空内に置かれる。本年1月、2月にはビーム運転が行われ、その間、本真空箱と内部機器は非常に安定に動作し続けた。 本講演では、真空箱とその内部機器の詳細について発表する。 |
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WPBDA01 | J-PARC ハドロンビームライン用OTR ビームプロファイルモニタの開発(4) | 130 |
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今回我々は本年2月にJ-PARCの遅い取り出しビームラインであるハドロンビームラインにビームを取り出すことに成功した。ビーム強度は連続モードで120 W程度と非常に低強度であったが、今まで開発してきたOTR検出器によってビームプロファイルを測定することに成功した。本発表においては、実機のOTR検出器の製作、光学調整、ビームライン設置、および実際に得られたプロファイルについて報告する。プロファイルに関しては、KEK-PSにおけるプロトタイプOTR実験の際に見られたチェレンコフ起源と思われるバックグラウンドがきれいに落ちており、新規光学システムの有用性が確認された。残りのわずかなバックグラウンドを引いた後に位置、幅情報を評価した。位置に関してはリファレンスモニターとよい一致が見られたが、幅に関しては一致しなかった。この原因について、および今後の展望などの詳細についても発表する。 |
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WPAPA03 | J-PARC ハドロンビームライン真空窓の開発 | 272 |
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J-PARC ハドロンビームラインの二次粒子生成ターゲットは、直接水冷の回転円盤方式(フルビーム750kW時)を採用した。そのため、ターゲット前後ではビーム輸送のための真空が一旦大気圧に戻る必要がある。真空ビームパイプの端面となるこのビーム窓の製作には、ターゲットと同じビームによる熱負荷、冷却水による腐食、さらに交換機能などを考慮した設計が必要となる。 本発表では、この設計方法と実機製作を行った結果を報告する。 |
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TPOPA01 | J-PARCハドロンビームダンプの設計・開発(3) | 699 |
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J-PARC 素粒子原子核実験施設(ハドロンホール)は2008年12月に陽子ビーム受け入れ可能状態になり、今年2月に実験が開始され、K中間子の生成が確認された。このビームラインの最下流に設置されるビームダンプはフルビーム(50GeV、15μA)を吸収できるように設計され、無酸素銅、それを取り囲むようにして鉄・コンクリートで構成されている。陽子ビームは無酸素銅部分でほとんど吸収され、この外周には水冷却用配管加工が施されている。ビームダンプの設計・開発は2008年3月で終了し、設置は5月から10月末にかけて行われ、今年2月にビームの吸収に成功した。その設計・開発および設置方法について報告する。また設置後のメンテナンス方法、銅表面温度モニター、インターロックシステムについても発表する。 |
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WPBDA09 | ビーム力学研究用イオントラップによる共鳴不安定性の実験的研究 | 121 |
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加速器中を伝搬する荷電粒子ビームの運動と線形ポールトラップに閉じ込めたイオンプラズマの運動は空間電荷効果を考慮しても物理的にほぼ等価である。そこで、イオントラップに閉じ込めたイオンプラズマを用い、大強度ビームの共鳴不安定性について実験的に研究している。 トラップ中のアルゴンプラズマに与える集束力を変えながら、イオン数の測定を行った。その結果、コヒーレント振動のチューンが半整数に近づくと共鳴が発生し、ビーム(プラズマ)は不安定化することを確認した。この不安定領域はトラップに蓄積したイオン数に依存しシフトする。MCPとCCDカメラなどを用いた分布計測などに基づいて、クーロン場によるコヒーレント振動のディチューニングとプラズマ密度の関係を求めた。 |
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WOACA01 | J-PARC リング高周波の現状 | 362 |
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J-PARCは1MWの陽子ビーム実現を目的に斬新なアイデアと最先端技術を取り入れた特色ある加速器である。imaginary γtラティスは加速域から遷移エネルギーを無くすため50GeVシンクロトロンで初めて導入された。金属磁性体による空胴は従来の2倍以上の加速電場勾配を実現し、RCSでは広帯域化により加速とバンチ操作の2つの機能を1台でこなすなど、高精度デジタル高周波制御と共にシンクロトロンには不可欠な機器となった。平成19年開始したビームコミッショニングは10月にRCS3GeV加速、平成20年12月MR30GeV加速とハドロン施設へ遅い取り出し、平成21年6月ニュートリノへ速い取り出しと次々に成功した。リング高周波はキー・コンポーネントの一つであり、それぞれの節目で唯一無比の性能を示してきた。一方でハード面に耐久性に関わる課題が判明し、さらに性能向上に向けた取り組みが必要になってきた。 |
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WOMGA01 | ニュートリノビームライン超伝導複合磁場磁石システムのコミッショニング | 412 |
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J-PARCニュートリノビームラインではメインリングから出射した陽子ビームを神岡方向に曲げるためのビームラインに全長150mの超伝導磁石システムを用いている。このシステムでは実用超伝導磁石では世界初となる単層の左右非対称コイルを用いた複合磁場磁石が用いられている。システムは平成20年の12月に現地工事を完成し、翌年1月から3月の間にハードウェアコミッショニング、4月から5月にかけてビームコミッショニングを行った。コミッションニングの結果ほとんどのハードウェアがほぼ期待通りの振る舞いをしていることが確認され、秋以降からの本格運用に向けて必要な性能確認が行えた。本講演ではシステムのコミッショニングの結果について主に複合磁場磁石の性能試験を中心に報告を行う。 |
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TPMGA13 | J-PARCメインリングにおける遅い取り出しのためのセプタム磁石の開発 | 566 |
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J-PARCメインリングからハドロン実験ホールへの遅い取り出しのためのセプタム磁石の製造・試験をおこない、2008年12月にメインリングへインストールした。2009年1月から2月のビームタイムにおいて、遅い取り出しビームのハドロンホールへの供給に成功した。セプタム磁石は全5種類10台の磁極から成り、セプタム厚はもっとも薄い最上流で1.5mmである。典型的な運転電流は3000Aであり、30GeV陽子ビームに対する総キック角は77mradである。ビームロスによる放射化が懸念される低磁場・中磁場セプタムは、無機材料のみで構成されており、またロスを少なくするために、遠隔操作にてビームに対して直角に±5mm動かすことが出来る構造になっている。本発表では、セプタム磁石のデザインの詳細と、KEKつくばでの試験とビームタイムにおける運転の結果を報告する。 |
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TPOPA02 | J-PARC遅い取り出しビームにおけるスピル制御システムの開発(2) | 696 |
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J-PARCのハドロン実験施設ではMRリングからの遅い取り出しビームを利用し原子核物理や素粒子物理の実験が行われる。遅い取り出しビームのスピルを平滑化するために、スピル制御用四極電磁石とフィードバック制御装置で構成するスピル制御システムを開発している。 スピル制御用電磁石はEQとRQからなり、EQにてスピルのマクロ成分の成形、RQにてリップル成分やスパイク構造の打ち消しによりビームの平坦化を行う。フィードバック制御装置はDSPをベースとした専用ボードを開発した。 2009年1,2月のビームタイムにおいてハドロン実験施設への遅い取り出しビーム供給に成功した。今夏にスピル制御システムのインストールを行い、秋以降の遅い取り出しビームタイムにおいてスピルの平滑化を実施する。本発表では、スピル制御用四極電磁石およびフィードバック制御装置の開発と試験の結果を報告する。 |