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WPBDA29 | JAEA AVFサイクロトロンのビーム位相の特性 | 183 |
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原子力機構AVFサイクロトロンでは、マイクロビーム形成で問題となる色収差の低減に必要なビームエネルギー幅の狭小化を、第5高調波を用いたフラットトップ加速により実現する。そこで、フラットトップ加速位相内にビームを制御するために中心領域を改造した。従来は、ビーム位相分布の測定がビームの損失が不可避なサイクロトロン外部でしか行えず、中心領域の位相制限スリット等とビーム位相の関係は、正確には分からなかった。この関係を明らかにするため、プラスチックシンチレータを取付けた半径方向に走査するプローブを開発し、位相制限スリットの位置やビームバンチャーの位相に対するビーム位相分布の関係をサイクロトロン内部で直接測定した。その結果、加速ハーモニックスh=1,2,3の内、マイクロビーム形成に成功しているh=2の条件ではビーム位相の圧縮が認められる等、加速ハーモニックスに依存したビーム位相の特性が確認できた。 |
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TPOPA05 | 原子力機構 AVF サイクロトロンの現状 | 687 |
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原子力研究開発機構のAVFサイクロトロンは、材料・バイオ研究利用分野にH+からAu31+までの様々なイオンビームを提供している。技術開発においては、イオン種の頻繁な変更に対処するサイクロトロン磁場迅速切換のための広帯域NMRによる磁場計測システムの開発、エネルギー幅を狭めるなどのビームの高品位化を図るためのビーム位相計測技術やアクセプタンスモニターの開発を中心に進めている。一方、保守においては、頻繁な開閉に対応した共振器ショート板のコンタクトフィンガーとその駆動用ベローズの全数交換、劣化の進んだ電磁石電源のコンデンサーの交換、クライオポンプの定期的な点検などを計画的に行い、昨年度は予定されたビーム利用実験の100%実施を達成した。本発表では上記及び他の技術開発、保守、サイクロトロンの運転状況の概要を報告する。 |
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WPBDA30 | アクセプタンス計測のための位相空間領域制限装置 | 244 |
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加速器内でのビームロスを低減するためには、加速器のアクセプタンス領域に入射 ビームのエミッタンス領域を整合させる必要がある。原子力機構高崎ではサイクロト ロンに対する入射ビームのこの整合を評価するためのエミッタンス及びアクセプタン ス測定装置の開発を行っている。 アクセプタンス測定の方法は次のとおりである。ある位相空間領域のビームを加速器 に入射し、加速器出射後のビーム強度を検出器で測定する。ビームが透過する領域が アクセプタンスの一部である。様々な位相空間領域について測定を行うことで、アク セプタンス全体が求まる。 本発表ではアクセプタンス測定装置のうちの入射ビームの横方向位相空間領域を制限 する装置について報告する。一対の位置制限スリットと角度制限スリットを用いるこ とで、2次元もしくは4次元位相空間の指定した領域のビームを加速器に入射すること を可能とした。 |
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TPMGA08 | サイクロトロンの磁場迅速切換のための磁場計測システム開発 | 572 |
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原子力機構AVFサイクロトロンでは、マシンの利用効率を向上するために、高頻度で実施されるビーム変更の短時間化を目指している。そこで、サイクロトロンでは従来から時間を要している磁場変更時間を短縮するために、磁場迅速切換技術の開発を行っている。磁場切換時に磁場を高精度にモニタするために、サイクロトロン内部にNMRプローブを設置し、ビーム加速に必要な最大および最小磁場に対する磁場計測を実現した。本発表では、開発した磁場計測システムを中心に報告する。 |