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TPOPA31 | 日本大学電子線利用研究施設における冷却系水温による加速ビームへの影響の解析 | 582 |
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日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では、文部科学省学術フロンティア支援事業や、KEKとの共同研究等の支援をうけ125MeV電子線形加速器を用いた自由電子レーザ(FEL)、パラメトリックX線(PXR)光源を開発し、2004年からユーザー共同利用を開始した。ユーザー共同利用実験開始以降、より精力的に電子ビーム及び光源の安定化に努めてきた。 125MeV電子線形加速器の不安定性の原因として、冷却系の水温の安定度不足が指摘され、2005年度から2007年度にかけて冷却系の更新を行い、粗温調でおよそ±1℃、精密温調でおよそ±0.2℃に制御されていた水温を、粗温調でおよそ±0.1℃、精密温調でおよそ±0.02℃程度の精密制御に成功した。 本報告は、更新後の冷却系水温にあえて擾乱を与え、水温よる電子ビーム及びFEL強度への影響を測定し解析した結果を報告する。 |
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TOAPA01 | Si(220)ターゲットによるパラメトリックX線源の高エネルギー化 | 748 |
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日大電子線利用研究施設(LEBRA)ではパラメトリックX線放射(PXR)に基づくX線源を運用しており、利用研究にエネルギー可変な単色X線ビームを供給している。これまではPXRの発生源となるターゲット結晶としてSi(111)面を用いてきたが、X線エネルギーの上限は20keVとなっていた。20keV以上のエネルギー領域に対応するために、ターゲット結晶およびX線輸送用の第2結晶をSi(220)に交換し、試験を行った。その結果、21〜33keVの領域でイメージングが可能であることを確認し、強度においてもSi(111)と比較して大きく劣ることはなかった。特にエネルギー33keVにおいてはヨウ素のK吸収端を利用した高コントラストイメージングに成功し、将来的な医療応用の可能性が示された。 |
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FPPSA17 | 高輝度X線発生装置用集束系の最適化 | 900 |
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科学技術振興機構より「高輝度X線発生装置の開発」を受託し、新型の回転対陰極を用いた高輝度X線源用の電子銃、集束系の開発を行っている。従来方式の回転対陰極では、輝度45kW/mm2(負荷2kW)がほぼ限界であるが、断面がコの字型をした新型の回転対陰極を用い、円筒内面に電子ビームを照射する方式を採用することにより、試験機を用いた測定では、これまでに130kW/mm2(負荷2.3kW)を達成している。当面は225kWmm2(負荷9kW)を目指しているが、最終的な開発目標値は輝度1MW/mm2である。この目標値達成には、照射電子ビームの高密度化が必須であり、特に集束磁石の最適化が非常に重要である。現在は、GPT、Opera、EGUNを用いたシミュレーションにより、最適化を行っている。本発表では、シミュレーションによる電子ビーム集束系の最適化に関して報告する。 |
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WOOPA04 | 日大LEBRA電子リニアックと光源の現状 | 18 |
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日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では125MeV電子リニアックを用いた近赤外自由電子レーザー(FEL)とパラメトリックX線(PXR)の学内共同利用を進め、年間2000時間の加速器運転を行っている。冷却装置の老朽化に伴い順次更新を行いながら冷却系の性能向上を図ってきた結果、加速管冷却水温は±0.01℃、クライストロン冷却水は±0.02℃の安定度を達成し、ビーム加速の安定化に大きく寄与した。しかし、電磁石電源の故障発生を始め既知・未知のビーム変動要因があり、不安定要因の特定とその抑制は、特に空間コヒーレントな単色X線であるPXRを回折強調位相コントラスト撮像に利用する上で重要な課題となっている。光源の高度化研究では、FELと非線形光学結晶による紫外領域の高調波、Si(220)結晶による33.2keVのPXRを発生し、利用可能波長範囲を拡張している。 |