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FPPSA09 | ERL放射光源用500kV-DC電子銃の高電圧印加試験 | 863 |
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原子力機構、KEK、広島大学、名古屋大学では協力してERL放射光源用のDC電子銃の開発を行っている。ERL放射光源の電子銃では空間電荷効果によるエミッタンスの増大を抑えるために500kV程度の加速電圧が要求されている。セラミック管の中央を高電圧のロッドが通るという特殊な形状のために、安定にDC高電圧を印加することが難しく、このような高い電圧の電子銃はまだ実現されていない。そこで、500kVでの運転を実現するためにチタン製のガードリングを備えた10段分割型のセラミック管、チタン製高電圧ロッドを製作し高電圧印加試験を行ったので、その結果について報告する。 |
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FPPSA10 | ERL放射光源用500kV DC電子銃の光陰極準備システムと高電圧真空容器の開発 | 872 |
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JAEA、KEK、広島大学、名古屋大学はERL放射光源用の500kV DC電子銃の共同開発を行っている。NEA GaAs光陰極準備システムの設計、製作を行い、このシステムを使ってNEA 光陰極を作成し、その量子効率を測定した。また、高電圧真空容器の設計、製作を行った。特に光陰極の寿命に直結する真空ポンプシステムの設計を注意深く行った。開発の現状について報告する。 |
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WPBDA09 | ビーム力学研究用イオントラップによる共鳴不安定性の実験的研究 | 121 |
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加速器中を伝搬する荷電粒子ビームの運動と線形ポールトラップに閉じ込めたイオンプラズマの運動は空間電荷効果を考慮しても物理的にほぼ等価である。そこで、イオントラップに閉じ込めたイオンプラズマを用い、大強度ビームの共鳴不安定性について実験的に研究している。 トラップ中のアルゴンプラズマに与える集束力を変えながら、イオン数の測定を行った。その結果、コヒーレント振動のチューンが半整数に近づくと共鳴が発生し、ビーム(プラズマ)は不安定化することを確認した。この不安定領域はトラップに蓄積したイオン数に依存しシフトする。MCPとCCDカメラなどを用いた分布計測などに基づいて、クーロン場によるコヒーレント振動のディチューニングとプラズマ密度の関係を求めた。 |
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ERL放射光源用電子銃のためのフォトカソード開発 | ||
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次世代放射光源であるERL計画が進められている。このERL放射光源の実現には、超低エミッタンスかつ大電流の高輝度電子源が必要不可欠である。これを満たす電子源カソード材料として現在、NEA(負の電子親和性: Negative Electron Affinity)表面を持つ半導体光陰極(フォトカソード)が有望とされている。また、この高輝度電子源の実現には、フォトカソード開発と電子銃開発が車の両輪となって最大限に機能しなければならない。特に初期エミッタンスや大電流を発生させるのに重要な役割を果たすのがフォトカソード研究であり、大電流化に対して量子効率が高いものが必要となる。本発表では、超低エミッタンスかつ高量子効率を有するフォトカソードの開発に焦点を絞って報告する。 |
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FPPSA08 | KEKにおけるERL放射光源用500kV電子銃の開発計画 | 860 |
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ERL実証機となるコンパクトERL(cERL)の建設準備がKEK東カウンターホールにて進められている。cERL早期運転実現のため、開発要素の多い電子銃部については実機開発の他、バックアップおよびR&D機としてJAEAおよびKEKそれぞれにおいて同時に開発を進めることとなった。現在JAEAで先行して立上げが行われている1号機に対し、今後KEKにて立上げる2号機では、1号機との互換性を持たせつつも、①透過型光陰極の採用、②光陰極複数同時活性化およびその保存機能をもつ準備システムの開発、③電子銃の極高真空化のための真空系および600kV絶縁セラミック管の開発・改良に力点をおき現在、設計を進めている。 |
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純電子プラズマを用いた不整合駆動ハロー生成の実験 | ||
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加速器の大強度化に伴いビームの空間電荷効果による集団運動の研究の重要性が高まっている。しかし、空間電荷効果の研究方法として解析的手法を用いるのは難しく、多粒子シミュレーションや空間電荷研究用の加速器を建造する方法も考えられているが計算や測定の精度やコスト面での問題がある。そこで我々はスムース近似の下で加速器中のビームと等価になる磁場トラップ中のプラズマを用いて研究を行っている。本研究ではプラズマを閉じ込めるための磁場トラップにCCDカメラと蛍光面からなる計測装置を取り付けた実験装置を用いる。磁場と静電場(調和ポテンシャル)を用いてトラップ中に高密度の電子プラズマを閉じ込め、閉じ込めた電子プラズマにかかるポテンシャルを急激に変化させることでミスマッチに等価な現象をトラップ中でおこすと、プラズマの核の周辺にハロー状の成分が形成されることを確認した。 |
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TOLSB03 | KEK-ATFにおけるILC偏極陽電子源の為の光蓄積共振器を用いた高輝度ガンマ線生成実験I | 727 |
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ILCの為のレーザーコンプトンによる偏極陽電子源開発の一環として, レーザーと低エミッタンス電子ビームの散乱による高輝度ガンマ線を生成実験を行っている. KEK-ATFの電子蓄積リングにインストールされた増大率250倍の光蓄積共振器に, 近赤外モードロックレーザーを蓄積・増幅しガンマ線の生成の向上を目指している. 現在までに光蓄積共振器の共鳴維持及び, レーザーパルスと電子ビームバンチのタイミング同期が可能となり, 約1E8/secのガンマ線生成に成功している. 本講演では実験セットアップ・光共振器の共鳴維持について報告する. 実験結果については, 「KEK-ATFにおけるILC偏極陽電子源の為の光蓄積共振器を用いた高輝度ガンマ線生成実験II」で報告する. |
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FPPSA15 | GaAs光カソード加熱によるダーク寿命の低下についての研究 | 894 |
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広島大学ビーム物理研究室では、高輝度電子源のためのGaAs光カソードの研究をおこなっており、より高い量子効率でかつ長寿命のカソード生成を目指している。本実験では、将来の高輝度電子ビーム発生で使用する大強度レーザーによる、GaAs表面加熱の寿命への影響について研究した。GaAsにおいて、Csと酸素の蒸着(Yo-Yo法)によりNEA表面を生成した後、GaAsを加熱し、そのときの寿命の変化を測定した。その結果、カソードの温度上昇とともに寿命が急激に低下することが分かった。また、寿命が時間のみに依存するダーク寿命と、引き出し電荷量に依存するビーム寿命からなると仮定し、各々を加熱時、非加熱時で比較した。非加熱時の寿命はほぼビーム寿命で決まっているのに対し、温度上昇時にはダーク寿命が急激に低下し、その成分が支配的となることが分かった。 |
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TOLSB04 | KEK-ATFにおけるILC偏極陽電子源の為の光蓄積共振器を用いた高輝度ガンマ線生成実験II | 730 |
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ILCの為のレーザーコンプトンによる偏極陽電子源開発の一環として、レーザーと低エミッタンス電子ビームの散乱による高輝度ガンマ線の生成実験を行っている。KEK-ATFの電子蓄積リングにインストールされた増大率250倍の光蓄積共振器に、近赤外モードロックレーザーを蓄積・増幅しガンマ線の生成の向上を目指している。現在までに光蓄積共振器の共鳴維持及び、レーザーパルスと電子ビームバンチのタイミング同期が可能となり、約1E8/secのガンマ線生成に成功している。本講演では実験データの解析結果について報告する。 |
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FPPSA12 | LバンドフォトカソードRF電子銃の開発(II) | 885 |
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阪大産研Lバンド電子ライナックの高輝度化(大電荷量・低エミッタンス化)を図るために、KEKと広大先端研と共同で共振周波数1.3GHzのLバンドRF電子銃の開発を行っている。またこれと並行して、KEK超伝導加速器試験施設(KEK-STF)のビーム加速実験に用いるLバンドRF電子銃の開発およびそのビーム実験に向けたビームライン構築を開始した。これまでに、アルミ製の試験空胴および同軸導波管結合器を製作し、その特性評価を通してより高い性能のRF電子銃空胴および結合器のRF設計を行っている。また、エミッタンス補正用のソレノイド電磁石に関して、主コイルと補正コイル(バッキングコイル)を結合させたタイプのものを開発中である。本学会では、LバンドフォトカソードRF電子銃開発の現状について報告する。 |