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WPLSA13 | SAGA-LSにおける超伝導ウィグラーの設計検討 | 112 |
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放射光施設SAGA-LSでは、より高エネルギーのX線ニーズに応えるため蓄積リング 長直線部LS2に超伝導ウィグラーを設置する計画を進めている。磁場強度は4T、1.4GeV蓄積電子ビームに対し臨界エネルギーは5.2keVである(ビームラインは分光範囲4.2~37keVで計画)。単極型ウィグラーでメインポールを超伝導マグネット、サイドポールを常伝導とするハイブリッド構成である。 設計にあたり特に運用上の安定性、保守性が重要な課題となった。SAGA-LSでは経費、立地の点で液体ヘリウム供給に大きな課題があり、大量に液体ヘリウムを使用するウィグラーは実用上維持が困難であった。そのため超伝導コイルの冷却はMRI等で実績のある小型GM冷凍機による直冷式とし、定常運転時に冷媒を必要としない構成とした。現在、製作仕様決定のための検討を進めている。本発表では設計の最新状況を報告する。 |
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WPLSA14 | 電子ビームを用いた可変偏光アンジュレータの不整磁場評価 | 230 |
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放射光施設SAGA-LSでは2008年冬季のマシン停止期間中に,APPLE-II型可変偏光アンジュレータのリング長直線部へのインストールを完了した.設置に引き続き,アンジュレータ磁場の蓄積ビームへの影響測定を行い,磁極ギャップ・位相変化に起因する軌道の歪み,チューンシフト及びカップリング変化を補償するシステムの構築を進めている.ビーム試験の結果,水平偏光モードではアンジュレータ不整磁場(ダイポール,四極,スキュー四極成分)は,フリップコイルを用いた積分磁場測定の結果と同程度であることがわかり,不整磁場の補償に重大な問題がないことを確認した.現在,他の偏光モードについても不整磁場の解析を進めている.発表では,SAGA-LSに設置したAPPLE-II型アンジュレータの概要,ビーム試験の結果と補償の最適化,磁場測定結果との比較について報告する. |
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WPLSA15 | SAGA-LSにおけるレーザーコンプトンガンマ線生成の準備状況 | 237 |
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SAGA-LS蓄積リングにおけるビームエネルギーモニターの構築及び将来的なガンマ線利用実験を目的として,レーザーコンプトン散乱(LCS)によるガンマ線生成実験の準備を進めている.本計画では波長10.6 μmのCW CO2レーザーを用いて,1.4 GeV電子ビームとのhead-on collisionにより最大エネルギー3.5 MeVのガンマ線生成を目指す.レーザーは蓄積リング第1セル偏向部の下流ポートから入射長直線部へ導入し,レーザー光と電子ビームの相互作用領域の長さは5 m程度となっている.これまでにレーザー光導入用のミラーチェンバーのリングへの接続を完了し,LCSビームラインBL01としての整備を行ってきた.またガンマ線生成の高効率化を目的として,CO2レーザー単体試験によるビームクオリティ評価を行い,実測に基づいたレーザー光学系のデザインとガンマ線イールド評価を進めている. |
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WPBDA23 | 中部シンクロトロン光利用施設(仮称)のためのターンバイターンビーム位置モニタシステムの開発 | 165 |
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名古屋大学を中心とした愛知県内の大学、愛知県、産業界が連携して中部シンクロトロン光利用施設(仮称)建設計画を進めている。この光源加速器のブースターシンクロトロンに5台、ストレージリングに32台のビーム位置モニタ(BPM)を設置する予定である。本研究では同施設の両加速器におけるコミッショニング時に用いるシングルパスBPMシステムの開発を行っている。このシステムは高速デジタルオシロスコープによる信号処理をベースにする予定である。現在、分子科学研究所のUVSOR電子蓄積リングを用いた実験を通してシステムの検討を進めている。これらの検討と電磁場解析ソフトPoissonを用いたシミュレーションをもとに中部シンクロトロン光利用施設に最適なBPM電極形状およびシステム構成を考察した。上記の内容について報告する。 |
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WPBDA24 | 中部シンクロトロン光利用施設(仮称)計画のためのRFノックアウトシステムの開発 | 168 |
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中部シンクロトロン光利用施設では、ブースターシンクロトロンとストレージリングに各一台ずつRFノックアウト装置を設置する予定であり、その開発を行っている。RFノックアウトはコミッショニングにおけるベータトロンチューンの測定、さらには電子ビームのシングルバンチ化や縦方向フィードバックにも使用する予定である。 RFノックアウトシステムの仕様を決定する参考とするため、分子科学研究所UVSORにおいてブースターシンクロトロンのRFノックアウトによるベータトロンチューン測定を行い、測定に最適な入力信号について検討した。また、RFノックアウトのビームへの効果をシミュレーションし、測定結果と共に考察した。これらを元に中部シンクロトロン光利用施設に最適なRFノックアウトの電極の形状と配置、測定時の入力信号等を検討したので報告する。 |
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TPCOA22 | SAGA Light Sourceにおけるアンジュレータ誘起の閉軌道歪み補正システム | 481 |
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SAGA Light Sourceには現在、APPLE-IIおよび平面アンジュレータが各1台設置されている。放射光利用中におけるユーザー側からのアンジュレータ制御を可能とするため、フィードフォワード方式の軌道補正システムを開発した。APPLE-IIにおいては、ギャップだけでなく任意の偏光モードに対しても補正を可能とした。ステアリング電磁石電源の制御PCは、ギャップおよび位相をアンジュレータ制御PCよりイーサーネットを介して10Hzで読み取り、補正に必要な電源設定値を出力している。電源設定値のパターンは、閉軌道歪みが最小となるよう最小二乗法により決定した。このシステムにより、任意のギャップおよび位相の変化に対して、水平・垂直各24台のBPMにより観測される閉軌道歪みの基準軌道に対する変位は、標準偏差で20μm以下に抑制された。 |
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TPOPA15 | 中部シンクロトロン光利用施設(仮称)計画のための光源加速器の検討 | 644 |
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中部シンクロトロン光利用施設(仮称)は,愛知県が進めている「知の拠点」計画において,高度な計測・分析を担う地域の共同利用施設として期待されており,産・学・行政が連携して実現にむけた活動を行っている. 本施設の中心となる光源加速器は エネルギー 1.2 GeV の蓄積リング、フルエネルギー入射可能なブースターシンクロトロン、50 MeVの線形加速器から成る。蓄積リングとブースターの周長はそれぞれ 72 m と 48 m でありブースターを蓄積リングの内側に配置し、さらにブースターの内側に線形加速器を配置する。 当センターでは平成24年度の施設供用開始を目指し活動しており、今年度特に光源部門においては昨年度までの検討で得られた加速器設計の最終的な調整・確認作業を行っている。本発表では中部シンクロトロン光利用施設(仮称)に導入予定である光源加速器について最新の検討結果を報告する。 |
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TPOPA14 | 放射光施設SAGA-LSの現状 | 671 |
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SAGA-LSの2008年~2009年の状況及び今後の計画について報告する。蓄積リングは10時間/日、4日/週の運転サイクルで定常的に放射光を提供している。この1年間で蓄積電流を段階的に150mAから300mAに引き上げた。放射光ビームラインとしてはBL6(九大)、BL10、11(佐賀県)が建設された。長直線部LS3にはBL10用可変偏光高輝度光源としてAPPLE2アンジュレータを設置した。現在、加速器性能向上のためリニアックの計算機制御化、アンジュレータスキュー補償システムの開発を進めている。またビームモニター、ガンマ線利用研究のためのレーザーコンプトン実験ラインBL1を建設中である。今後の計画としては超伝導ウィグラー(臨界エネルギー5keV)の設計を進めており、本年度中に設置予定である。 |