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WPBDA19 | 高速ゲートモジュールの開発とその応用 | 146 |
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ターン毎ビーム位置モニターに任意のバンチを選択できるゲート回路を付けたゲートビーム位置モニター(GBPM)と特定バンチを励振しその振動を測定するゲートチューンモニター(GTM)がKEKBで開発された。そのゲート回路は、スイッチング時間のために最少バンチ間隔が6nsに制限されている。KEKBのルミノシティ増強計画において、バンチ間隔は2~4nsに縮められる。このような狭いバンチ間隔でもバンチ毎のビームパラメータを測定するために、1ns以下のスイッチング時間をもつ広帯域スイッチを用いた高速ゲートモジュールを開発した。又、通常の衝突状態においてもオプティックス測定ができるために、全周のターン毎ビーム位置モニターにゲート回路を付ける応用が検討されている。 |
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WOOPE02 | KEKB加速器の現状 | 63 |
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KEKB加速器は2007年1月に超伝導クラブ空洞を導入し、同年10月以後、順調にクラブ交差による実用運転を行なっている。クラブ交差で高いルミノシティを達成するには、従来のレベルを超えた精密な誤差補正とビーム衝突調整が不可欠である。その一つとして、今期新たに、電子・陽電子両リングに合わせて28台の歪6極磁石を設置し、衝突点における水平垂直結合の運動量依存性を補正したが、この補正が突破口となって、クラブ以前の記録17.6/nb/sを大きく上回るピークルミノシティ20.84/nb/sが達成された。また、1日・7日間などの積分ルミノシティも記録を更新し、現在総積分ルミノシティは953/fbに達している。入射ビームをパルス毎に切り替えてKEKB両リングと放射光リングの3者に同時入射する技術が最近実用化され、衝突調整の効率が向上したことも、今回の成果に繋がっている。 |
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WPBDA20 | SuperKEKB用ボタン電極の開発 | 189 |
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SuperKEKBリングのビーム位置モニターで用いるボタン電極を設計した。三次元電磁界計算コードHFSSとGdfidL/MAFIAを用いて高周波特性、ビーム応答、wakeを計算し、ボタン電極による進行方向ビーム不安定の閾値を推定した。さらに、SuperKEKBでは製造を容易にし保守性を改善するため、フランジ接合で真空チェンバーに接続する。KEKBリング日光直線部及びD6に設置したSuperKEKB用アンテチェンバー試作器にモニターを設置し、信号特性を観察した結果についても報告する。 |
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WOVAA01 | 電極およびグルーブ(縦溝)構造による陽電子蓄積リングビームダクト内の電子雲密度低減 | 381 |
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電子雲によるビーム不安定性の抑制は、近年の陽電子/陽子リングにおいて重要な課題である。ビームダクト内に電極を設置して静電場により電子雲を除去する、いわゆる電子除去電極は電磁石内でも使用可能な解決法である。また、ダクト内表面にグルーブ(縦溝)加工を施して二次電子放出率を実効的に下げる手法も同じく有効な手段である。我々は、内表面に極薄電極、およびグルーブ加工を持った試験チェンバーを製作し、KEKB陽電子リングに設置してこれらの効果を実験的に調べてきた。その結果、TiNコーティングを施した平面と比較して、電極の場合+300V以上印加時に約1/100程度と電子密度の大幅な減少が得られた。また、グルーブ表面(TiNコーティングあり)の場合も、1/10程度の電子密度低減が確認された。磁場中にてグルーブ加工表面の効果を世界で初めて実証した。実機に向けたR&Dを含めてこれらの結果を報告する。 |