TUP050  粒子源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
フラーレン負イオン源の開発
Development of a negative fullerene ion source
 
○山田 圭介,千葉 敦也,横山 彰人,鳴海 一雅,齋藤 勇一(量研機構 高崎)
○Keisuke Yamada, Atsuya Chiba, Akihito Yokoyama, Kazumasa Narumi, Yuichi Saitoh (QST Takasaki)
 
量研機構TIARAタンデム加速器ではMeV級エネルギーのフラーレン(C60)イオンの高強度化のために、負イオン源の開発を行っている。 従来、C60負イオンの生成は既存のセシウムスパッタイオン源(SNICSⅡ)で行われてきたが、得られるビーム強度は、平均50pA程度と低いことに加え時間と共に減少するという問題があった。近年では、SNICSⅡのスパッタロッドを小型オーブンロッドに置き換えた、電子付着方式による負イオン生成方を開発し、従来の1,000倍のビーム強度を得ることに成功している。 我々は更なるビーム強度増大及びビーム安定度向上を目的として、電子付着方式の専用イオン源の開発を進めている。これまでに、負イオン生成試験用のイオン源の製作を行った。本イオン源はイオン生成チェンバー、試料昇華用オーブン及び電子供給源によって構成される。また、2種類の電子供給源を用意し、最適な電子エネルギーや供給量等の探索を可能とした。本イオン源を、質量電磁石を備えたテストベンチに設置し、負イオン生成試験を行った。本発表では、製作したイオン源の構造及びC60負イオン生成試験の結果について報告する。