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[第4回IUC(インジェクターアップグレード推進委員会)メモ]

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日時 : 2004年10月28日(木曜日) 14:00-16:00
場所 : 三号館7階会議室
出席者(順不同、敬称略):
白川、小林、柿原、矢野、末武、春日、古川、諏訪田、設楽、大西、小川、榎本、
杉村、大沢、飛山、紙谷、菊池、飯田、小野、伴、伊澤、三橋、帯名、船越、
横山(書記)、佐藤(文責)

(*) Webページもご参照下さい。
所内専用: http://www-linac2.kek.jp/iuc/index.html
所内及び所外用: http://www-linac2.kek.jp/iuc/index.html

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[1] 4リング同時入射全体デザインまとめ・今後の予定(佐藤)
・4リング(KEKB e-/e+, PF, AR)同時入射を実現するための、段階的Upgrade案を示し、
議論が行われた。

・IUCで議論された内容をまとめ、11/24(水)のKEKB推進委員会で報告する。

<主な議論等>

・ARのTop-upをやるとしたら、6 or 6.5GeVでやる。
低エネルギー(例えば3GeVなど)でやることはない。

・AR beamを、第三スイッチヤードの改造+New AR BT lineで分けることはしない。
6.5GeV対応のBTを第三スイッチヤードから導くことは不可能(現在のトンネルを使った場合)。
現在の建家・ビームラインの配置上、入射器から6.5GeVを導くには、コスト・労力がかかりすぎる。

・最終的には、4リング(KEKB e-/e+, PF, AR)同時入射が目標だが、
段階的なUpgradeが必要。

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 [Phase I] 目的:KEKB <=> PF間の切り替え時間を短縮化する。
・現在、KEKB<=>PFの切り替え(KEKB modeから、PFに切り替え・入射後、KEKB modeに再び戻ってくる)時間は、
最短で8分程度である。夏メンテ前は、20分程度であったが、softwareの改良等によってかなり改善された。

・Softwareのみでこれ以上改善することは困難なため、第三スイッチヤードのECS第一ベンド(BM_61_1)を改造し、
PF 2.5GeV e-振り分けラインを作る。これにより、KEKB<=>PF切り替え時のECS初期化を省くことが可能となり、
8分=>4分程度の短縮が見込まれる。

・電子銃は、これまで通り仮電子銃(CT Gun)を用いる。
ビームモード切替時間が短縮されるだけであって、制御系(モニタDAQなど)の変更は一切無い。

C) BM_61_1とBM_61_6にQ成分があるので、片方(61_1)を作り替える場合は、補正Qが必要である。
共通電源にならないので、電源を作る必要がある。

C) 来年夏メンテ時にPhaseIを実現するためには、(契約的に)来年1月頃には企業との契約を開始する必要がある。
4月以降の契約では不可能。(年度をまたがって契約可能かどうかは、問い合わせ中)

C) BM_61_1の振り分けベンドは、将来PFが3GeV入射することも想定すべきである。
=> そのように設計する予定である。

C) ビームライン改造に伴い、総てのベンドを新規製作する必要があるのか?
現在のラインを残す必要があるか?
=> 残さなくても良い。ベンド(2個)は再利用可能。(飯田氏OHP参照)

・具体的な担当者などは、次回IUC打合せで議論する。

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 [Phase II] 目的:KEKB e- <=> PFの同時入射(
・Multi-energy Linac schemeを利用(菊池氏OHP参照/IUC#3,Tues., Aug. 3, 2004)
low-energy optics(2.5GeV)にて、8GeVビームも輸送する。この時、磁場を変えずに
Klystron位相の高速制御でビームエネルギーを高速スイッチする。

・ビームモード切替時間は、10s程度を目標とする。

・マシンスタディ(大西氏)にて、1nCシングルバンチe-に関しては実証された。
この時、ビームロスはほとんど無く、実現可能性は高いと思われる。
但し、運転に利用するためにはマルチバンチでのスタディも必要である。

・PFビームは、A1電子銃を使用する(KEKBと共通)。
PFビームについては、SHBを使用しない(standbyにする)ことで、
Linacのmulti-bunchにする。

C) multi-bunchでも、いままで(6,7バンチ)より短くしたい。
例えば、3バンチくらい。

・ARビームについて、引き続き仮電子銃を使うのか?A1にして総てのビームモードでA1を使うかどうか?
については、関係者で議論する。

C) PhaseI完了後、速やかにPhaseIIを行う。
大幅なビームライン改造などを伴わないので、冬メンテ時でも可能ではなかろうか。
夏メンテ時にこだわる必要はない。

C) e+モード時には、別案として2時電子をPF入射に使える。
但し、emittanceは悪い。

C) 新しいビームモードを作る必要がある。(同時入射モード)
=> 放射線安全G.と協力して検討が必要。

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[Phase III] 目的:KEKB e-/ e+, PF の同時入射(電子と陽電子の同時入射実現)

・10s以下か、最速でパルス毎のビームモード切替。

・e+標的のbypassラインなどにより、e-/e+の高速切り替えを行う。

C) パルス毎の切り替えが本当に必要なのか?
=> 厳密には、必要ないであろう。
=> 但し、SuperBの時はいずれにせよ必要となる。
=> KEKB abort後の50Hz入射時や、PF study・beam dump後には、
パルス毎切り替えは必要である。

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[AR入射について]
・上記PhaseI - IIIで、KEKB e-/e+/PFの同時入射を行い、
さらに、別入射器(PS-MR再利用案、菊池氏IUC#3;Tues., Aug. 3, 2004)による
PF-AR 6.5GeV Top-upを平行して進める。

・Phase II,III及びAR入射の具体的な検討は、今後推し進めていく必要があるが、
当面、PhaseIの具体的な検討が急務である。
(人、予算、詳細スケジュール)

[2] PF-BT Optics(飯田)
・PhaseIの第三スイッチヤード改造案について、Optics案が紹介された。

・PF-BTに既設のQのK値を、若干変更する必要があるが、
Optics的に解があることが示された。

・現在のPF BTに用いられているベンド2台を、New BTに転用する。
これにより、PhaseIで製作すべき磁石は、ベンド 2台・Q 7台である。

C) e- dump line(チャネリング実験ライン)のQ2台を移動する必要がある。
=> Achromatic条件から少しずれるが、実験様ターゲット設置部でのビームサイズ等が
問題ない程度か検討する。

=> Top-upのために、dispersion大の箇所を意図的に作って、エネルギー広がり測定箇所を
作ることも重要であろう。

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[3] 次回予定

日時: 2004年11月11(木曜日) 14:00-(低速陽電子打ち合わせ後)
場所: 3号館7階会議室
議題:
(1)4リング同時入射全体工程修正案(佐藤)
(2)PhaseI・第三スイッチヤード改造計画の役割分担
(3)その他


===== IUC#4 MEMO終わり =====