WOOPA  —  運転A   (05-Aug-2009   10:40—11:40)

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WOOPA01 SPring-8線型加速器の現状 9
 
  • S. Suzuki, T. Asaka, H. Dewa, T. Kobayashi, T. Magome, A. Mizuno, T. Taniuchi, H. Tomizawa, K. Yanagida, H. Hanaki
    高輝度光科学研究センター
 
 

○運転状況 今年はTop-up運転を止めてしまうような大きなトラブルは少なかった。クライストロンモジュレータ内でのノイズによるフォルトの解明を継続して行った結果、誤動作と思われる要因をかなり減らすことが出来、暗転した運転に寄与している。 昨年の加速器学会後に発生した大きなトラブルは、電子銃高圧デッキ内でバイアスがかからなくなる故障であった。これは回路設計を間違え、本来なら浮かすべき所をモニタ回路を通じてアースがつながってしまったことに起因する。 ○高信頼化 安定したTop-up運転のために、継続した高信頼化を進めている。第2電子銃は一部運用を開始し、昨年秋に第1電子銃付近で放電が多発したときに、実際に第2電子銃に切替を行い、運転を問題なく継続することが出来た。第2電子銃は第1電子銃と電源が共通で、加速管室に入室して切替を行っているが、今年度中に独立の電源とする予定である。

 
WOOPA02 KEK電子・陽電子入射器の現状 12
 
  • Y. Ogawa
    高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設
 
 

KEK電子・陽電子入射器は4つの異なるリングに異なるビームを供給しているが、ここ数年下流のリングにおける連続入射をパルス毎(最大50Hz)に行う準備を進めて来た。今春、4リングのうち3リング(KEKB電子リング、KEKB陽電子リング、PF電子リング)についてパルス毎の同時入射の実用化に成功した。現在KEKBには主に12.5Hzずつ、PFには0.5Hzで順調に同時入射を行っている。本講演では、同時入射の実際の様子の紹介を中心に、この一年で進めてきた運転および各種研究の現状を報告する。

 
WOOPA03 阪大産研Lバンド電子ライナックの現状と性能向上(2009年) 15
 
  • G. Isoyama, R. Kato, S. Kashiwagi, Y. Morio, Y. Terasawa, K. Furuhashi, N. Sugimoto, S. Suemine
    大阪大学産業科学研究所
 
 

Lバンド電子ライナック2008年度の現状と性能向上を報告する。2008年度の運転日数は204日である。ライナック故障により1日利用停止は4回、半日利用中止は2回起きた。主な故障は、クラウストロン用モジュレータ電源のサイラトロンの動作不良とPFNへ接続用高圧ケーブルの短絡、冷却水系用電源盤のマグネットリレー動作不良、偏向磁石用DC電源の動作不良などである。ライナックの性能向上と開発研究に関しては、サイラトロンの機種変更と、SHB用RF空洞のモニター用結合器の交換、電子エネルギー範囲の拡大などである。使用していたサイラトロンに問題があることが分かったので、信頼性が高く実績のある物に交換した。一昨年度末に導入したSHB用RF空洞のアンテナ型モニターに問題があったので、ループ型に交換した。電子エネルギーを10MeV程度まで下げられるように異なる結合度を持つ電力分配器を準備して使用を開始した。

 
WOOPA04 日大LEBRA電子リニアックと光源の現状 18
 
  • T. Tanaka, K. Hayakawa, Y. Hayakawa, Y. Takahashi, T. Kuwada, T. Sakai, K. Nogami, K. Nakao, M. Inagaki
    日本大学量子科学研究所 電子線利用研究施設
  • I. Sato
    日本大学大学院総合科学研究科
  • A. Enomoto, S. Fukuda, S. Ohsawa, K. Furukawa, S. Michizono, K. Tsuchiya
    高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設
  • S. Wakatsuki, S. Yamamoto
    高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
 
 

日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では125MeV電子リニアックを用いた近赤外自由電子レーザー(FEL)とパラメトリックX線(PXR)の学内共同利用を進め、年間2000時間の加速器運転を行っている。冷却装置の老朽化に伴い順次更新を行いながら冷却系の性能向上を図ってきた結果、加速管冷却水温は±0.01℃、クライストロン冷却水は±0.02℃の安定度を達成し、ビーム加速の安定化に大きく寄与した。しかし、電磁石電源の故障発生を始め既知・未知のビーム変動要因があり、不安定要因の特定とその抑制は、特に空間コヒーレントな単色X線であるPXRを回折強調位相コントラスト撮像に利用する上で重要な課題となっている。光源の高度化研究では、FELと非線形光学結晶による紫外領域の高調波、Si(220)結晶による33.2keVのPXRを発生し、利用可能波長範囲を拡張している。