WOACB  —  ビーム加速B   (05-Aug-2009   15:45—17:00)

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WOACB01 RIBF 高周波系の現状 394
 
  • N. Sakamoto, M. Fujimaki, A. Goto, O. Kamigaito, M. Kase, R. Koyama, K. Suda, K. Yamada, S. Yokouchi
    理化学研究所 仁科加速器研究センター
 
 

2006年12月のコミッション以来、新しい3台のサイクロトロンの高周波系の改善を行ってきた。これまでのビーム加速時の運転周波数は、36.5 MHz、27.4 MHz で、SRC加速空洞の最大電圧は、空洞あたり650 kV/450 kV を達成している。 ローレベル系の改善により、振幅+-0.03 %、位相+-0.03 度の安定度を実現している。現在の高周波系のパフォーマンスについて、抱えている問題点も含めて報告する。

 
WOACB02 理研RIBFにおける高周波系およびビームの安定度 397
 
  • K. Suda, M. Fujimaki, N. Fukunishi, M. Hemmi, O. Kamigaito, M. Kase, K. Kumagai, N. Sakamoto, T. Watanabe, K. Yamada
    理化学研究所 仁科加速器研究センター
  • R. Koyama
    住重加速器サービス株式会社
 
 

理研RIビームファクトリー(RIBF)では、入射器および4台のリングサイクロトロンを多段式に用いて重イオンを加速する。現在、ビームの大強度化を目指しているが、長期間安定的にビームを供給するために、加速高周波(RF)のこれまでより一段高い安定度が要求されている。 そこで、ロックインアンプを用いた測定システムにより、RFの電圧・位相およびビーム強度・位相の常時監視を行っている。測定データを解析し、RFの安定度およびRFの変動がビームに与える影響を評価した。また、気温や冷却水温についても監視を行っており、これらの変動がRFの変動に影響を与えていることを確認した。本学会ではこれらの結果について報告する。

 
WOACB03 XFEL/SPring-8のタイミング・低電力RFシステムの建設状況 401
 
  • N. Hosoda, T. Ohshima, H. Maesaka, S. Matsubara, K. Tamasaku, Y. Otake
    理化学研究所 X線自由電子レーザー計画推進本部
  • M. Musha
    電気通信大学レーザー新世代研究センター
 
 

XFELを安定発振するためには、RF系を時間変動50fs、振幅変動0.01%で駆動することが要求されている。(値は全て標準偏差。)これを実現するために我々は、タイミング・低電力RFシステム全体について温度安定化に特に配慮し、光ファイバー網を含む全てのモジュールを、温調水を用いた水冷ダクトやラックに入れる設計にした。その温度変動は0.05Kを実現している。例えばクライストロン駆動アンプの温度計数はそれぞれ260fs/K、0.8%/Kであり、要求を満たすための温度安定度は0.2K、0.01Kである。水冷ラックにより、時間変動については要求を達成している。振幅変動については不十分とも思えるが、測定値は測定系の誤差や分解能で制限された値であり、試験加速器では4Kの変動位まではレーザー発振をしているので、実際の値はもっといいと考えている。今回は温度安定化に的を絞りながら、建設状況を報告する。

 
WOACB04 ERL入射器用超伝導空洞システムの開発 405
 
  • K. Watanabe, S. Noguchi, E. Kako, T. Shishido, K. Umemori, Y. Yamamoto, M. Sato
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

ERL入射器用の超伝導加速空洞システムは、電子銃で生成した100mAの大電流ビームを10MeV程度まで加速するために用いられる。主加速器とは異なりエネルギー回収が行われないので、ビーム加速に必要とされる約1MWの高周波電力は全て外部の高周波源から供給しなければならず、CW運転で1本あたり200kW程度の高周波電力を投入することができる大電力入力カップラーと100mAのCW大電流ビームによって空洞内に誘起された有害な高調波モードを効率よく外部へ取り出し、かつCWの加速モードの負荷に耐えうるHOMカップラー開発が重要な開発要素となる。cERL入射器用超伝導空洞システムとして、加速電界15MV/mで運転するHOMカップラー4個を装着した2セル空洞1号機の低電力試験、表面処理および縦測定を行った。また、昨年度製作した大電力入力カップラー2本の大電力試験を今年度行う予定である。

 
WOACB05 超伝導加速管の縦測定における超多点温度マップ 409
 
  • H. Tongu, Y. Iwashita, H. Fujisawa
    京都大学
  • H. Sato
    理化学研究所
  • H. Hayano, K. Watanabe, Y. Yamamoto
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

超伝導加速管に冷却した状態で高周波電力を注入して行うテストとして最初に空胴を立てた状態で行ういわゆる縦測定がある。この時、空胴表面に多数の温度センサーを取り付けて投入高周波電力を上げながらその温度変化を測っておけば、空胴内表面の欠陥などによる発熱が測定できる。充分な密度でセンサーが配置できれば発熱場所の特定が容易になる。センサー密度を1平方センチ当たり一個と想定すると、約五千個のオーダーのセンサーが必要になり、それぞれクライオスタットから常温まで2本ずつ線を引き出すと一万本のケーブリングが必要になり、実装上の困難を引き起こす。このため、低温側でCMOSのアナログSWを用いて信号を時分割多重化を行い、伝送することを考えている。CMOS—ICの低温での動作は確認されている。このテストの結果について報告する。