WOACA  —  ビーム加速A   (05-Aug-2009   14:30—15:30)

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WOACA01 J-PARC リング高周波の現状 362
 
  • M. Yoshii, E. Ezura, K. Hasegawa, M. Nomura, C. Ohmori, A. Schnase, T. Shimada, H. Suzuki, A. Takagi, F. Tamura, M. Toda, M. Yamamoto
    高エネルギー加速器研究機構/日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター
  • K. Tanaka
    高エネルギー加速器研究機構
  • K. Horino
    日本アドバンストテクノロジー
 
 

J-PARCは1MWの陽子ビーム実現を目的に斬新なアイデアと最先端技術を取り入れた特色ある加速器である。imaginary γtラティスは加速域から遷移エネルギーを無くすため50GeVシンクロトロンで初めて導入された。金属磁性体による空胴は従来の2倍以上の加速電場勾配を実現し、RCSでは広帯域化により加速とバンチ操作の2つの機能を1台でこなすなど、高精度デジタル高周波制御と共にシンクロトロンには不可欠な機器となった。平成19年開始したビームコミッショニングは10月にRCS3GeV加速、平成20年12月MR30GeV加速とハドロン施設へ遅い取り出し、平成21年6月ニュートリノへ速い取り出しと次々に成功した。リング高周波はキー・コンポーネントの一つであり、それぞれの節目で唯一無比の性能を示してきた。一方でハード面に耐久性に関わる課題が判明し、さらに性能向上に向けた取り組みが必要になってきた。

 
WOACA02 大振幅の2倍高調波重畳による縦方向ペインティング 366
 
  • F. Tamura, M. Yamamoto, M. Yoshii, C. Ohmori, M. Nomura, A. Schnase, M. Toda, H. Suzuki, T. Shimada, K. Hara, K. Hasegawa
    高エネルギー加速器研究機構/日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター
 
 

大強度の陽子ビーム加速においては、スペースチャージチューンシフトを軽減するために、縦方向ペインティングを行い、バンチングファクターを増大する必要がある。J-PARC RCS では、モーメンタムオフセット入射および2倍高調波の縦方向ペインティング手法を採用している。 特に、J-PARC RCS では広帯域MA空胴を採用したことにより、デュアルハーモニック運転を行い、大振幅の2倍高調波を追加空胴なしに発生することができる。縦方向ペインティング試験の結果について報告する。

 
WOACA03 J-PARC シンクロトロン高周波空胴のインピーダンス測定 369
 
  • M. Nomura, F. Tamura, A. Schnase, M. Yamamoto, K. Hasegawa, T. Shimada, H. Suzuki, K. Hara, M. Toda, C. Ohmori, M. Yoshii
    高エネルギー加速器研究機構/日本原子力研究開発機構 J-PARC センター
 
 

J-PARC RCSでは、通常の約2倍の加速電圧を達成する為に金属磁性体(MA)コアを装填した高周波空胴を用いている。2007年5月には、10台の高周波空胴をRCS主トンネルに設置し 、10月からビームコミッショニングを開始した。その後、2008年11月には11台目の高周波空胴を設置し、現在まで約2年間運転を行ってきた。この間、コアの状態を調べる為に、加速器のメンテナンス期間毎にインピーダンスの測定を行ってきた。 この2年間の運転期間中に、2008年12月に空胴7号機、2009年6月に4号機のインピーダンスの低下が観測された。7号機に関しては、インピーダンス低下後に空胴を取出し調査を行ったところ、コアに座屈が起こっていた。また、4号機に関しては、夏期のメンテナンス期間中に内部調査を行う予定である。 本発表では、これらのインピーダンス低下の詳細及びその原因等についての発表を行う。

 
WOACA04 J-PARCリングRF空洞の更なる高勾配化とビーム増強 372
 
  • C. Ohmori, T. Shimada, A. Schnase, H. Suzuki, A. Takagi, F. Tamura, M. Toda, M. Nomura, K. Hara, K. Hasegawa, M. Yamamoto, M. Yoshii
    高エネルギー加速器研究機構/日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター
 
 

J-PARCシンクロトロンでは金属磁性体空洞を世界で初めて本格的に導入し、従来のフェライト空洞に比べ2倍の加速勾配を実現することにより、加速器を小型化した。この金属磁性体の特製を向上させることにより、この加速勾配を更に倍加できる可能性について報告する。この新しい磁性体をμSR(ミュオンスピン共鳴法)を用いて高特製化の機構についての研究を行った。磁性体のナノメーターサイズの結晶の磁化容易軸の向きが特製向上のカギとなっている。この磁性体を用いた高勾配加速空洞の設計について報告する。また、これによるJ-PARC加速器のビーム品質の向上とビーム強度増強についても報告する。