TOSLB  —  光源B   (06-Aug-2009   10:00—11:00)

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TOLSB01 蓄積リングを用いた近赤外自由電子レーザー発振 720
 
  • N. Sei, H. Ogawa, K. Yamada
    産業技術総合研究所 計測フロンティア研究部門
 
 

産業技術総合研究所では、自由電子レーザー専用電子蓄積リングNIJI-IVを用いて、赤外自由電子レーザー(FEL)の開発を進めていたが、去る2月12日に波長1.45ミクロン付近で発振に成功し、真空紫外域から赤外域に及ぶ波長帯でのFEL開発に成功した。今回の発振波長域は1.39~1.50ミクロンで、観測された最大出力はシングルバンチモードの時は0.3mW/portであった。線幅はリニアックFELに比べて充分に狭い0.5nm以下であった。さらに、バンチ間隔の異なる2バンチモードでも発振に成功しており、FEL出力の増大やFEL-CSによる準単色γ線を観測している。講演では、唯一の赤外専用蓄積リングFEL装置によるFELの特性など、最近の成果について報告する予定である。

 
TOLSB02 XFEL/SPring-8のポンプローブ実験ための1550nm時間基準コムレーザー駆動によるポンプ用800nm帯域レーザーの開発 723
 
  • Y. Otake, N. Hosoda, H. Maesaka, S. Matsubara, T. Ohshima
    理化学研究所 X線自由電子レーザー計画推進本部
 
 

XFEL/SPring-8のX線自由電子レーザーと通常レーザーによるポンププローブ実験では、X線のパルス幅が30fsなので、それよりも十分高い両パルスの同期が必要である。従来その同期は、加速高周波の低調波電気信号にポンプレーザーをモードロックしていた。この電気信号によるモードロックでは、信号に含む熱・ショット・外来ノイズで、同期の時間ジッタを数百fsより低くすることが難しい。このため我々は、必要な同期を達成するために、ほぼ電気回路を使用しない同期法を考案した。それは、加速高周波に同期した5712MHz繰り返しで1ps幅以下の1550nm光コムパルスを、ポンププローブ実験で必要な60Hz繰り返しの800nm付近のレーザーに電気光学素子で間引いて、波長変換し、大ピーク強度のレーザーに増幅する方法である。本発表では、手法の基礎的な実証であるパルスの間引きと波長変換に成功したので、それを報告する。

 
TOLSB03 KEK-ATFにおけるILC偏極陽電子源の為の光蓄積共振器を用いた高輝度ガンマ線生成実験I 727
 
  • S. Miyoshi, T. Akagi, Y. Ushio, M. Kuriki, T. Takahashi
    広島大学 大学院先端物質科学研究科
  • S. Araki, J. Urakawa, T. Omori, T. Okugi, H. Shimizu, N. Terunuma, Y. Funahashi, Y. Honda
    高エネルギー加速器研究機構
  • K. Sakaue, T. Hirose, M. Washio
    早稲田大学 理工学研究所
  • G. Pei, X. Li
    Institute of High Energy Physics, Chinese Academy of Sciences
 
 

ILCの為のレーザーコンプトンによる偏極陽電子源開発の一環として, レーザーと低エミッタンス電子ビームの散乱による高輝度ガンマ線を生成実験を行っている. KEK-ATFの電子蓄積リングにインストールされた増大率250倍の光蓄積共振器に, 近赤外モードロックレーザーを蓄積・増幅しガンマ線の生成の向上を目指している. 現在までに光蓄積共振器の共鳴維持及び, レーザーパルスと電子ビームバンチのタイミング同期が可能となり, 約1E8/secのガンマ線生成に成功している. 本講演では実験セットアップ・光共振器の共鳴維持について報告する. 実験結果については, 「KEK-ATFにおけるILC偏極陽電子源の為の光蓄積共振器を用いた高輝度ガンマ線生成実験II」で報告する.

 
TOLSB04 KEK-ATFにおけるILC偏極陽電子源の為の光蓄積共振器を用いた高輝度ガンマ線生成実験II 730
 
  • T. Akagi, Y. Ushio, M. Kuriki, T. Takahashi, S. Miyoshi
    広島大学 大学院先端物質科学研究科
  • S. Araki, J. Urakawa, T. Omori, T. Okugi, H. Shimizu, N. Terunuma, Y. Funahashi, Y. Honda
    高エネルギー加速器研究機構
  • K. Sakaue, T. Hirose, M. Washio
    早稲田大学 理工学研究所
  • G. Pei, X. Li
    Institute of High Energy Physics, Chinese Academy of Sciences
 
 

ILCの為のレーザーコンプトンによる偏極陽電子源開発の一環として、レーザーと低エミッタンス電子ビームの散乱による高輝度ガンマ線の生成実験を行っている。KEK-ATFの電子蓄積リングにインストールされた増大率250倍の光蓄積共振器に、近赤外モードロックレーザーを蓄積・増幅しガンマ線の生成の向上を目指している。現在までに光蓄積共振器の共鳴維持及び、レーザーパルスと電子ビームバンチのタイミング同期が可能となり、約1E8/secのガンマ線生成に成功している。本講演では実験データの解析結果について報告する。