TOLSA  —  光源A   (06-Aug-2009   09:00—10:00)

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TOLSA01 ホール素子を用いたエッジ集束ウイグラーの高精度磁場評価 459
 
  • S. Kashiwagi, K. Furuhashi, R. Kato, G. Isoyama
    大阪大学産業科学研究所
  • K. Tsuchiya, T. Shioya, S. Yamamoto
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

我々は、阪大産研Lバンド電子ライナックを用いた遠赤外領域の自由電子レーザーの高輝度化を目的とした集束型ウイグラーの開発研究を行っている。開発を行っている集束型ウイグラーは、通常の直方体磁石にエッジ角度を付け磁石端部でのエッジ集束効果を用いたものである。周期長60mm、周期数5の試作機を製作し、ホール素子を用いた磁場測定よりその磁場特性を評価し、実用機へエッジ集束方式を応用した。これまでの開発研究より、ホール素子の僅かな傾きやホール素子を移動させるリニアステージ軸の傾きが、測定される磁場および測定磁場から求まる磁場勾配に大きな影響を与えることを明らかにした。また、エッジ集束ウイグラー内に作られる磁場勾配のギャップ依存性に関しても考察を行った。本学会ではこれらのエッジ集束ウイグラーの高精度磁場評価について発表を行う。

 
TOLSA02 準周期アンジュレーターの新しい方式 462
 
  • S. Sasaki
    広島大学放射光科学研究センター
 
 

無理数次の高調波を発生する準周期アンジュレータは現在欧米のいくつかの主要な放射光施設で建設され利用に供されている。 本方式のアンジュレーターでは、モノクロメーターを通した後の光が整数次の高次光を含まないため、単色性の高い光を利用することが可能である。 また、円偏光アンジュレーターと異なり、軸上に無理数次の高次光もあるため、これを利用することも可能である。 本発表では、従来型の準周期アンジュレーターとは異なった準周期構造を持ち、異なったスペクトルの光を発生する新しいタイプの準周期アンジュレーターについて報告するとともに、アンジュレーターに適した1次元準周期創生法についても解説する。 さらに、準周期アンジュレーター中の位相誤差の取扱いと可能な磁場調整法についても言及する。

 
TOLSA03 阪大産研テラヘルツFELの高出力動作とその利用 465
 
  • R. Kato, S. Kashiwagi, Y. Morio, K. Furuhashi, Y. Terasawa, N. Sugimoto, S. Suemine, G. Isoyama
    大阪大学産業科学研究所
  • K. Tsuchiya, S. Yamamoto
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

阪大産研で開発しているテラヘルツ自由電子レーザー(FEL)は波長70umで再発振と出力飽和に成功した後、FELの特性評価を行うとともに波長領域の拡大と出力増大に努めてきた。現時点での発振波長領域は25um~150um(12THz~2THz)となり、マクロパルスのピークパワーは1kW以上に達した。また、昨年度からこの高強度テラヘルツ光を用いた3件の利用研究を開始した。本学会では、このFELの最近の進展について報告する。

 
TOLSA04 干渉分光計を用いたテラヘルツ波FELのコヒーレンス長測定 468
 
  • K. Furuhashi, R. Kato, S. Kashiwagi, Y. Morio, Y. Terasawa, N. Sugimoto, G. Isoyama
    大阪大学産業科学研究所
 
 

我々はテラヘルツ領域の自由電子レーザー(FEL)の基礎と高度化の研究を行っている。FELは電子ビームの時間構造を反映し、阪大産研FELの場合、パルス長~10ps程度のミクロパルスが9.2ns間隔で約4μsのマクロパルスを構成する。FEL物理を理解するためには、回折格子分光器で測定する波長スペクトルだけでなく、ミクロパルスの時間構造を知ることが重要である。レーザーのパルス長を測定するには一般に非線形光学効果を用いるが、100μm程度の波長領域では適当な非線形光学素子が存在しない。そこで、干渉分光計を用いてミクロパルスの時間情報を得ることにした。干渉分光計を導入し、FEL強度を干渉分光計の移動鏡位置の関数として測定してFELの干渉パターンを得る。そこに現れる自己相関図からFEL光パルスのコヒーレンス長を評価する。本論文では干渉分光計の立上げとFELコヒーレント長の測定結果を報告する。