TOAPB  —  加速器応用B   (06-Aug-2009   13:30—14:15)

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TOAPB01 プラズマイオン注入法を用いたPETフィルムの表面改質及び滅菌のイオン照射密度依存性 782
 
  • F. Ikeda, Y. Nakayama, N. Ikenaga, N. Sakudo
    金沢工業大学 ものづくり研究所
 
 

これまでプラズマイオン注入を用いた表面改質によって、PETフィルムのガスバリア特性が改善されること、またその技術を応用して比較的熱に強い枯草菌の滅菌も可能である事を見いだしてきた。表面改質によるガスバリア特性はイオン照射密度(ion dose)で変わることを明らかにしてきたが、プラズマイオン注入中にイオン照射密度の絶対値を計測することは困難であった。本発表では、イオン注入中のイオン電流密度を正確に測定するため、新たにファラデーカップを作製し、イオン照射密度の絶対値計測を試みた。実験には、プラズマイオン注入機構を取り付けたマイクロ波プラズマ発生装置を用いて表面改質と滅菌を行った。イオン照射密度は、このファラデーカップで計測したイオン電流密度を時間積分することで算出した。

 
TOAPB02 Sバンド小型電子リニアックを用いたレーザーコンプトン散乱X線源・コヒーレントテラヘルツ光源の開発と応用 785
 
  • R. Kuroda, H. Toyokawa, M. Yasumoto, H. Ikeura, H. Ogawa, N. Sei, M. Koike, K. Yamada
    産業技術総合研究所 計測フロンティア研究部門
 
 

産総研では、Sバンド小型電子リニアックを用いたレーザーコンプトン散乱X線源、及びコヒーレントテラヘルツ光源の開発と応用研究を行っている。X線源では、約10~40keVの硬X線生成が可能で、準単色性、微小光源性などの特徴を利用した吸収端イメージングや、インライン位相コントラスト生体イメージングを行っており、将来的に医療応用を目指している。現在は、利用研究を促進する一方、X線収量増強のためのマルチ衝突型レーザーコンプトン散乱X線源の開発を進めている。テラヘルツ光源では、磁気パルス圧縮により超短パルス電子ビームを生成し、コヒーレント放射による高出力テラヘルツ光生成を行い、様々な材料(生体材料やICカードなど)の透過イメージングを行っている。現在は、テラヘルツ時間領域分光のためのシステムを構築中である。本年会では、Sバンド小型電子リニアックを用いたこれらの光源開発と応用研究の現状について報告する。

 
TOAPB03 酸化チタン(TiO2)に対する中赤外域波長可変レーザー(KU-FEL)照射効果の検討 788
 
  • T. Sonobe, K. Hachiya
    京都大学大学院エネルギー科学研究科
  • M. Bakr Arby, K. Yoshida, K. Higashimura, R. Kinjo, T. Kii, K. Masuda, H. Ohgaki
    京都大学エネルギー理工学研究所
 
 

京都大学エネルギー理工学研究所では、2008年3月に波長12.4mでFEL発振を観測し、5月には波長13.6mでFEL飽和を達成した。更に、エネルギー材料分野へのFEL光利用を目指し、光輸送ダクトを設置しFEL照射試験設備の開発を進めている。そこで、材料科学へ応用するためには、中赤外域波長可変レーザー(KU-FEL)照射が材料に及ぼす効果を、結晶・光学特性など物性科学的な視点から評価し、その知見を得ることは重要である。 本研究では、赤外域での光学特性が注目されている酸化チタン(TiO2)に注目し、FEL光とこれに同期させた可視・紫外レーザーとの同時照射によるフォトルミネッセンス(PL)特性を観測するとともに、構造特性を評価することでFEL光照射効果に関する知見を得ることを目的としている。