TOAPA  —  加速器応用A   (06-Aug-2009   11:15—12:30)

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TOAPA01 Si(220)ターゲットによるパラメトリックX線源の高エネルギー化 748
 
  • Y. Hayakawa, K. Hayakawa, M. Inagaki, T. Kuwada, K. Nakao, K. Nogami, T. Sakai, I. Sato, Y. Takahashi, T. Tanaka
    日本大学 電子線利用研究施設
  • T. Sakae
    日本大学 松戸歯学部
 
 

日大電子線利用研究施設(LEBRA)ではパラメトリックX線放射(PXR)に基づくX線源を運用しており、利用研究にエネルギー可変な単色X線ビームを供給している。これまではPXRの発生源となるターゲット結晶としてSi(111)面を用いてきたが、X線エネルギーの上限は20keVとなっていた。20keV以上のエネルギー領域に対応するために、ターゲット結晶およびX線輸送用の第2結晶をSi(220)に交換し、試験を行った。その結果、21〜33keVの領域でイメージングが可能であることを確認し、強度においてもSi(111)と比較して大きく劣ることはなかった。特にエネルギー33keVにおいてはヨウ素のK吸収端を利用した高コントラストイメージングに成功し、将来的な医療応用の可能性が示された。

 
TOAPA02 医用電子クライオリニアックを基盤とするコンパクトERLの開発 752
 
  • I. Sato, K. Shintomi
    日本大学総合科学研究科
  • M. Takahashi, T. Saito, K. Abe, F. Shishikura, T. Yamamoto, K. Ishikawa, I. Murai, T. Fukakusa, S. Takahashi, T. Watanabe, N. Fukuda, H. Nagase
    日本大学医学部
  • K. Hayakawa, T. Tanaka, Y. Hayakawa, Y. Takahashi, T. Kuwada, K. Nakao, K. Nogami
    日本大学電子線利用研究施設
  • S. Fukuda, A. Enomoto, S. Ohsawa, K. Furukawa, Y. Ogawa, T. Suwada, K. Yokoyama, S. Noguchi, E. Kako, T. Tomaru, Y. Namito, H. Iwase
    高エネルギー加速器研究機構
  • A. Miura
    日本高周波
  • K. Maki
    三菱マテリアル
  • E. Tanabe, K. Kanno
    (株)エーイーティー
 
 

日本大学電子線利用研究施設では100MeV級の電子リニアックを活用し、パラメトリックX線放射(PXR)の実用化を進めた結果、PXRはコヒーレントX線源であることを実証した。現在、コンパクトPXRによるがん治療・診断システムの開発研究を進めている。そのための極低温に冷却した電子リニアックによる100MeV級電子リニアックのテーブルトップ化の開発研究を進めた結果、電子クライオリニアックはエネルギー回復機能を発揮させられることを明らかになり、コンパクトPXRによるがん治療・診断装置の実現性と実用化の可能性は一段と強まっている。このシンポジウムでは開発研究成果について発表する。

 
TOAPA03 群馬大学における開発実験用ビームポートの設計 755
 
  • K. Torikai, T. Ohno, K. Yusa, Y. Yoshida, H. Kato, T. Kanai, H. Shimada, T. Takahashi, M. Tashiro, N. Tamaki, T. Nakano, S. Yamada
    群馬大学 重粒子線医学研究センター
 
 

群馬大学では重粒子線治療を行うための照射施設として、炭素線の最大エネルギー400MeV/u、4ビームポート/3治療室を擁する重粒子線医学センターが建設中である。2008年11月に建屋が竣工し、2010年3月の照射開始に向けて立ち上げ準備が進められている。本施設にはビーム照射技術開発および物理・生物実験を可能とする垂直ビームラインが設置される。本発表では物理・生物実験の要求を満足するビーム輸送系の設計について検討結果を報告する。

 
TOAPA04 放医研におけるスキャニング照射装置開発の現状 758
 
  • T. Furukawa, T. Inaniwa, S. Sato, N. Saotome, T. Shirai, Y. Takei, E. Takeshita, T. Himukai, K. Katagiri, S. Fukuda, A. Nagano, S. Mori, S. Minohara, K. Noda
    放射線医学総合研究所
  • Y. Iseki, K. Hanawa, N. Kakutani, C. Yamazaki, Y. Kanai
    株式会社東芝
 
 

平成18年度より放医研では、HIMACからのビームラインを延長し、スキャニング照射装置、および回転ガントリーを備える新治療室を建設する計画を進めている。ここでは、呼吸性移動臓器に対するアプローチとして、呼吸同期照射と高速な多数回スキャニングを組み合わせることにより、線量分布の悪化を防ごうと考えている。この高速スキャニング照射装置を実証するために、平成20年度は、建屋の建設に先行して、照射装置の設計、および製作を行った。これをHIMAC物理汎用照射室に設置し、ビーム試験をスタートした。これらの進捗状況を紹介する。

 
TOAPA05 陽電子放出核の粒子線治療適用研究の現状 761
 
  • S. Hojo, T. Honma, M. Kanazawa, M. Muramatsu, Y. Sakamoto, A. Sugiura, N. Suzuki, K. Noda
    放射線医学総合研究所
 
 

現在、放射線医学総合研究所で、11Cビームのような陽電子放出核を粒子線治療へ適用が検討されている。これは、PET診断用薬剤製造に用いられている11C (半減期:T1/2=20.3 min)の製造・回収技術を応用し、11Cガスを生成した後、イオン源でイオン化しビームとして利用するというものである。PET診断用薬剤製造では、N2ガスをベースとしたガスターゲットへのプロトン照射により、11CO2ガスが生成される。この11CO2ガスは極少量であるため、いかに効率よくイオン化するかが重要となる。そのため、ガスの分離濃縮や、ガスのパルス化、排気されるガスの再利用などを検討してきた。これまでの検討結果と現状を報告する。