FRATA  —  学会賞講演   (07-Aug-2009   13:15—14:45)

Paper Title Page
FRATA02 GeV Electron Beams from a Capillary Discharge Guided Laser Plasma Accelerator 1162
 
  • K. Nakamura, A. Gonsalves, D. Panasenko, C. Lin, C. Toth, C. Geddes, C. Schroeder, E. Esarey, W. Leemans
    ローレンスバークレー国立研究所
 
 

Laser plasma acceleration(LPA) up to 1 GeV has been realized at Lawrence Berkeley National Laboratory by using a capillary discharge waveguide(CDW). In this presentation, the CDW-LPA system including a broadband single-shot electron spectrometer is described. Experimental study of self-trapping in CDW-LPA will be presented as well as recent work on CDW-LPA with tailored longitudinal density. 奨励賞

 
加速器用電源の歴史とその保守及び電源の高精度化技術について  
 
  • T. Yamashita
    平和電源(株)
 
 

加速器の建設の歴史に関しては、各々建設に携わった諸先生方が加速器学会誌に建設の経緯、技術等について述べられている。ここでは、それを支えてきた電磁石電源の建設の歴史と技術の流れについて触れる。私の加速器用電源への参画の始まりは、東大核研のSFサイクロトロン、理研の4号サイクロトロンの電磁石電源に始まり、それから45年間、サイクロトロン加速器、SOR関連、大型研究用加速器関連、がん治療器用加速器の電源等で約7000台近い電源の建設に関与してき、現在もその内4500台程度が改造を加えながらも稼働している。この後も20年から30年に渡り、これらの電源は働き続けなければならないであろうが、これら電源の保守維持に関して考えることは、加速器関連の研究者にとって緊要なことになってくるであろう。 特別功労賞

 
FRATA01 ビーム物理研究用プラズマトラップシステム“S-POD”の開発 1167
 
  • R. Takai
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

重心系で観測した加速器中の荷電粒子ビームは、実験室系で捕獲された単一種の非中性プラズマとほぼ等価な集団運動を示す。この事実を利用すれば、小型で安価なプラズマトラップを駆使することにより、大強度ビームや低エミッタンスビームで顕在化する複雑な非線形集団現象(空間電荷効果)を、系統的かつ実験的に研究できる可能性がある。このような「非中性プラズマによるビーム物理研究」を念頭に開発した実験システムが“S-POD(Simulator for Particle Orbit Dynamics)”である。講演では、この斬新な実験コンセプトを中心に、システム構成の詳細、最新の実験結果、今後の展開などについて述べる。 奨励賞

 
FRATA03 J-PARC DTL/SDTL およびセラミックス真空ダクトの開発・量産 1172
 
  • Z. Kabeya
    三菱重工業株式会社
 
 

J-PARCでは現在、ほとんどの加速器施設がビーム調整運転に入った。それに先立ち、Linacは2006年に、RCSは2007年に予定通りのビーム加速と取り出しに成功している。遡ることその10年前に、LinacのDTL/SDTLの加速空洞およびRCSのセラミックス真空ダクトに共通する必須の生産技術が加速器コンポーネント製作に適用された。PR(Periodic Reverse;周期的極性反転)法による銅電鋳である。この技術は、H-Ⅱロケットエンジンの燃焼室冷却構造製作のために開発・実用化され、加速器の機器製作技術に転用された。ここでは、J-PARCの中で特にPR銅電鋳を適用した加速器コンポーネントの開発と量産について10年間の展開を述べる。 技術貢献賞

 
FRATA04 HIMACシンクロトロンにおける取り出しビーム強度変調システムの開発 1175
 
  • S. Sato
    放射線医学総合研究所
 
 

HIMACシンクロトロンにおいて、取り出しビーム強度変調システムを開発した。このシステムは、RF-Knockout取り出し法で、ビームに対して横方向のキックを与える高周波電場を適切に制御することで、シンクロトロンから取り出されるビーム量を制御する。目標ビーム強度から、高周波電場による拡散モデルにもとづいてキック量を計算し、高周波電場の印可電圧求めるとともに、照射線量を計測する線量計の信号によりフィードバック制御することで、良好な制御性を得ることができた。これらの処理を、シングルチップマイクロコンピュータにより、リアルタイム演算処理を行うことで、ダイナミックな取り出しビーム強度変調を可能としている。 技術貢献賞

 
FRATA05 CeB6(ホウ化セリウム)単結晶熱カソードを用いた低エミッタンス電子銃の開発 1178
 
  • K. Togawa
    理化学研究所 X線自由電子レーザー計画推進本部
 
 

X線自由電子レーザーにおいて、電子銃は非常に重要な役割を果たします。極めて小さいエミッタンスだけでなく、長寿命、再現性、メンテナンス性も求められます。これらの要求を同時に満足できる熱カソード材料として、単結晶CeB6を選択しました。但し、動作温度が1500℃と非常に高温であるため、まず、安定に加熱できるグラファイトヒーターの開発から研究はスタートしました。電流端子の溶解など数多くのトラブルを克服した結果、エネルギー500keV、ピーク電流1Aの低エミッタンスビームを生成することに成功しました。現在ではSCSS試験加速器におけるFEL運転のために、日々、安定な電子ビームの供給を続けています。本会では、CeB6熱電子銃の開発についての発表を行う予定です。 技術貢献賞