FOOPH  —  運転H   (07-Aug-2009   10:00—11:00)

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FOOPH01 大型静電加速器へのECRイオン源の利用 827
 
  • M. Matsuda, T. Asozu, K. Kutsukake, T. Nakanoya, S. Hanashima, S. Takeuchi
    日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 研究炉加速器管理部 加速器管理課
 
 

ECRイオン源は高多価・高強度の重イオンビームを生成することが可能であり、その電荷数はタンデム加速器の高電圧端子でのカーボンフォイルによる荷電変換よりも高くなっている。したがってECRイオン源をタンデム加速器の高電圧端子に搭載することにより、ビーム強度・ビームエネルギーを増強することが可能である。また加速不可能であった希ガスイオンの利用も可能となる。我々は永久磁石型ECRイオン源を原子力機構-東海タンデム加速器の高電圧端子に搭載した。高電圧端子は絶縁高圧ガス中でかつ高電圧放電による電気的サージに晒される特殊な環境であるが、機器の開発・改良を重ねた結果、安定加速を実現し、期待通りの性能を発揮している。Xeイオンでは5+から30+までの多価イオンの加速に成功し、広範なエネルギーにわたるビームを得られ、最高エネルギーは480MeVとなった。学会では入射装置の開発と加速試験について発表する。

 
FOOPH02 SCSS試験加速器におけるSASE-FEL安定化に向けたエネルギーフィードバック 830
 
  • Y. Tajiri, M. Yamaga, S. Tanaka, T. Hasegawa, T. Morinaga, Y. Kano, R. Yamamoto
    高輝度光科学研究センター
  • K. Togawa, H. Maesaka, M. Yabashi, Y. Otake, H. Tanaka
    理化学研究所 XFEL計画推進本部
 
 

XFELシステムの性能実証を目的に、SCSS試験加速器がSPring-8キャンパスに建設され、達成された安定なEUV領域のSASE-FELがユーザー実験に利用されている。精密実験には、レーザー特性の長期に渡る安定性が重要であり、これまでにも、個別のRF機器のピックアップ値に基づくRF位相と振幅の変動抑制や加速器パラメータの精密調整により、レーザーの安定化を図ってきた。しかし、ゲインの厳しい短波長域での長期安定性を常時確保する事は難しく、入射部のビームエネルギーと相関したレーザー出力の変動が観測された。そこで、レーザー特性を極限まで安定化する目的で、ビームのエネルギー変動を直接フィードバックに用い、入射部でのビームエネルギーの安定化、即ち、ビームのピーク電流の精密制御を試みた。本発表では、ビームのエネルギー情報を用いた簡便なフィードバックシステムの概要とその有効性について報告する。

 
FOOPH03 加速器に関する教育関係者の意識調査 833
 
  • T. Yoshiyuki, Y. Itou, H. Inoue, Y. Matsubara, T. Baba, K. Katayama, T. Sato, O. Yushiro, M. Nakai, T. Mori, Y. Hattori, K. Sennyu, R. Nakamura
    日本電機工業会
 
 

1、はじめに 日本電機工業会(JEMA)加速器専門委員会は毎年度加速器利用者の使用状況調査を進めている。2008年度は、理科教育支援のあり方に関する提案をまとめることができた。報告書の要約版をJEMA Web上に公開している。 2、調査概要 郵送調査では、加速器施設の立地県を含む20都道府県における全ての高等専門学校及び高等学校の理系教員を対象とした。有効回答は905通であった。郵送調査の内容は、放射線教育、加速器教育、研修や自己研鑽ニーズ、JEMAへの要望、等である。インタビュー調査では、アンケート結果に対する評価、JEMAが教育支援する場合の支援策を主体に、忌憚のない御意見を頂いた。

 
FOOPH04 SCSS試験加速器における極端紫外レーザー利用実験のためのマシン運転 836
 
  • K. Togawa, T. Inagaki, T. Ohshima, N. Hosoda, H. Maesaka, M. Nagasono, K. Tono, M. Yabashi, Y. Otake, H. Tanaka
    理化学研究所
  • M. Yamaga, S. Tanaka, T. Hasegawa, Y. Tajiri, T. Morinaga, Y. Kano, R. Yamamoto
    高輝度光科学研究センター
 
 

SPring-8におけるX線自由電子レーザー施設のプロトタイプ機として建設されたSCSS試験加速器は、極端紫外領域(波長50 nm~60 nm)のSASEレーザー光を発生する光源として、2008年度より本格的なユーザー利用実験のための運用が開始された。2008年度は海外の研究グループを含む計11の研究グループが利用実験を行い、1年間の総運転日数は95日(運転時間840時間)であった。この間のマシン稼働率は96%であり、1年を通して極めて安定な飽和状態の極端紫外レーザー光をユーザーに提供することができた。本学会では、SCSS試験加速器におけるユーザー運転の現状について報告する。