A   B   C   D   E   F   G   H   I   J   K   L   M   N   O   P   R   S   T   U   V   W   X   Y   Z  

Yamada, H.

Paper Title Page
卓上型放射光装置開発と利用の新展開  
 
  • H. Yamada
    立命館大学
  • D. Hasegawa, T. Yamada
    ㈱光子発生技術研究所
 
 

卓上型放射候装置は、半径8cm周回軌道へのビーム入射に成功してさらに小型化が達成された事で、新たなニーズが広がっている。例えば橋梁検査である。60cm厚コンクリート橋の内部が詳細に見られたことのインパクトは極めて大きく、土木技術研究所や検査会社との提携が進んでいる。さらに、小型化がもたらしたものは、X線発生効率の向上である。結果として、小型装置による構造解析や小角散乱の利用が浮上している。毛髪分析によるガンの予知に対する関心が高まっていて、1日に600本の毛髪分析を行う専用マシンの開発を依頼されている。入射器の性能が向上したことで、新たな需要が見込まれているのは、滅菌用EB装置としてのマイクロトロンである。電子ビームの加速効率が高い所から、10MeV・40kW装置の開発に目処がついている。卓上型放射光装置は、いよいよ量産のための技術開発を行うステージに入った。

 
クラシカルマイクロトロンの産業利用  
 
  • D. Hasegawa, H. Yamada
    株式会社光子発生技術研究所
 
 

マイクロトロンは一様な磁場中で電子を周回し加速する装置である。加速空洞に電子銃を内蔵しているのが特長で、1~20MeVでエネルギー分散は 1% 以下、ピーク電流は100mA以上と高輝度である。集束磁石でサブミリの焦点サイズが達成できる。用途は、みらくるの入射器、サブミリの解像度での重構造物X線非破壊検査、小型高輝度の電子銃、滅菌・殺菌向け電子線照射装置がある。 産業・医療の分野でライナックが広く用いられてきたが、近年は焦点サイズ1 mm以下が要求され、エネルギー分散が 10% 以上になるライナックでは限界である。またエネルギー増加と共に装置が長くなるため、円軌道で加速するマイクロトロンの方が高輝度・小型で優位性がある。 加速器に対する産業界のニーズは小型だけでなく高品質へと移っている。我々の供するマイクロトロンはこのニーズに充分応えられる性能を持っており様々な分野への展開が期待される。