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Ohkoshi, K.

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FPPSA01 J-PARC負水素イオン源LaB6フィラメント形状の最適化試験 839
 
  • K. Ikegami, A. Ueno, H. Oguri, Y. Namekawa, K. Ohkoshi
    J-PARCセンター
 
 

J-PARCイオン源は、セシウムを使用しないLaB6フィラメント駆動型負水素イオン源である。このイオン源から引き出される負水素イオンビーム強度は、LaB6フィラメントの大きさや形状によって異なることが分かった。そこでLaB6フィラメント形状の最適化に向けイオン源テストスタンドでこの形状差異によるビーム強度の変化をアーク電流300A固定で測定検証した。実機で使用している二重螺旋の29.5mmφのLaB6フィラメントではビーム強度35.2mA、同じく15mmφの物では41.8mA、3重ヘアピンの厚さ1.5mm幅3.5mmフラットLaB6フィラメントでは43.4mAであった。この他、多くの形状のLaB6フィラメントに対してのビーム強度測定も行った。

 
FPPSA02 J-PARC負水素イオン源の運転状況 842
 
  • H. Oguri, A. Ueno, K. Ikegami, Y. Namekawa, K. Ohkoshi
    J-PARCセンター
 
 

J-PARCで稼動中のLaB6フィラメント駆動型負水素イオン源は、加速器ビームスタディの内容により、高出力(約30mA)と低出力(約5mA)の運転を交互に行っている。運転開始から現在までの約3年の間、イオン源トラブルによる加速器ビーム停止時間は延べで50時間程度であり、、イオン源の稼働率は現状、98%以上である。初期のトラブルは主にフィラメントの不具合によるものであったが、フィラメント構造の改良を重ねた結果、現在では2030時間(うち高出力運転が780時間、低出力運転が250時間)のフィラメント連続使用実績を得ている。また、高出力モード運転時のビーム電流減少率は-0.4mA/dayと低く、イオン源オペレータによるビーム電流調整操作は1日1回程度である。本イオン源は、長時間フルスペック運転の実証などいくつかの課題がまだ存在するが、概ね実用機として十分なビーム性能と信頼性を有していると言える。

 
FPPSA03 J-PARC用負水素イオン源のセシウム添加実験 845
 
  • Y. Namekawa, A. Ueno, K. Ohkoshi, H. Oguri, K. Ikegami
    J-PARCセンター
 
 

現在J-PARCで稼動中の負水素イオン源は、セシウム不使用状態にて最大ビーム電流38mAを得ている。この性能は、J-PARC当初目標であるビームパワー0.6MW実現のための要求値を満たしているが、最終目標1MWの実現に必要な60mAには及んでいない。そこでJ-PARCでは、現行機のビーム大強度化実験を継続するとともに、これと並行して現行機のバックアップ機を用いてセシウム添加実験にも着手した。タングステンフィラメントによる実験にて目下、アークパワー15kWでビーム電流70mAを得ており、このような低パワーで大電流ビームを引き出せたことはセシウム添加型イオン源の課題であるセシウム導入量の低減化につながると期待できる。今後、フィラメントの種類や形状、プラズマ生成室内各部の温度制御を含めたセシウム添加方法、及びプラズマ閉じ込め磁場等の最適化実験を行い、セシウム添加型イオン源の実用性を検証する。