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WPBDA28 | 負性抵抗回路を用いたカレントモニタの開発 | 174 |
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数秒程度の繰り返し周期のシンクロトロンのビームモニタとして適したCurrent Transformer(CT)を開発し若狭湾エネルギー研究センター(WERC)のシンクロトロンにインストールした。WERCのシンクロトロンには、ビームモニタとして高周波帯域のCTと静電誘導型のバンチモニタが設置されているが、交流成分しか測定できないため、 リング内を周回している粒子数を常に測定することができない。今回開発及び設置したビームモニタは電流の負性抵抗回路を応用した直流成分を測定できる新方式のCTである。また、DSP を用いて、CT の出力に重畳する誤差磁場信号の除去およびオフセットの変動の改善を行う信号処理システムを開発した。これらについて報告する。 |
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WOOPE02 | KEKB加速器の現状 | 63 |
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KEKB加速器は2007年1月に超伝導クラブ空洞を導入し、同年10月以後、順調にクラブ交差による実用運転を行なっている。クラブ交差で高いルミノシティを達成するには、従来のレベルを超えた精密な誤差補正とビーム衝突調整が不可欠である。その一つとして、今期新たに、電子・陽電子両リングに合わせて28台の歪6極磁石を設置し、衝突点における水平垂直結合の運動量依存性を補正したが、この補正が突破口となって、クラブ以前の記録17.6/nb/sを大きく上回るピークルミノシティ20.84/nb/sが達成された。また、1日・7日間などの積分ルミノシティも記録を更新し、現在総積分ルミノシティは953/fbに達している。入射ビームをパルス毎に切り替えてKEKB両リングと放射光リングの3者に同時入射する技術が最近実用化され、衝突調整の効率が向上したことも、今回の成果に繋がっている。 |