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Maesaka, H.

Paper Title Page
WPBDA12 X線自由電子レーザー計画におけるビームモニターシステム制御装置 313
 
  • S. Inoue, H. Maesaka, S. Matsubara, Y. Otake
    理化学研究所
  • K. Yanagida, H. Ego, A. Yamashita
    高輝度光科学研究センター
 
 

X線自由電子レーザー計画のビームモニターシステムの制御装置について報告する。本装置は,RF-BPMとCTの電子回路装置,スクリーンモニター(SCM)のスクリーンの駆動,SCMのズーム・フォーカスやコリメータのステッピングモータを制御対象とする。これらの多数で複雑な機器を制御するために,複雑な命令を容易に実現できるPLCベースにて構成した。上位計算機とは,FL-netを用いて通信を行う。RF-BPMとCTの電子回路装置,モータコントローラとは,耐ノイズ性に優れたDeviceNetを用いて通信を行う。モータコントローラについては,DeviceNetで通信する絶対値エンコーダによる位置検出・多種の原点復帰方法などの高い機能を備えたものを新しく開発した。スクリーンの駆動などについては,多芯ケーブルを用いる。SCSS試験加速器でこの制御装置の評価試験を行い,安定に動作することを確認した。

 
TOBDB02 XFEL用スクリーンモニタの空間分解能 448
 
  • K. Yanagida, H. Tomizawa
    高輝度光科学研究センター
  • S. Inoue, H. Maesaka, S. Matsubara, Y. Otake
    理化学研究所
 
 

X線自由電子レーザー計画で使用されるスクリーンモニタは10μm以下の空間分解能が要求される。我々は空間分解能に寄与する要因を分析し、最適な設計及び製作を行い、評価試験を行った。分解能に寄与する主たる要因としてレンズ等の収差、CCDピクセルサイズ、回折パターンの大きさ及び発光点深度によるデフォーカスがある。特に回折については、OTRの円錐状に拡がる発光角分布を繰り込んだFraunhofer回折パターンを考慮した。設計手法はこれら要因の寄与(分解能)を全て計算し、最適化を行うことであった。本システムにおいて最小の分解能(半値半幅)を計算で見積もった結果、OTRを観測する場合は約2μm、Ce:YAG等の場合は約3μmになった。SCSS試験加速器にて測定された最小ビームサイズはOTRの場合で14.5μm、Ce:YAGの場合で18.5μmであり、上記の分解能で計測されていると思われる。

 
FOOPH04 SCSS試験加速器における極端紫外レーザー利用実験のためのマシン運転 836
 
  • K. Togawa, T. Inagaki, T. Ohshima, N. Hosoda, H. Maesaka, M. Nagasono, K. Tono, M. Yabashi, Y. Otake, H. Tanaka
    理化学研究所
  • M. Yamaga, S. Tanaka, T. Hasegawa, Y. Tajiri, T. Morinaga, Y. Kano, R. Yamamoto
    高輝度光科学研究センター
 
 

SPring-8におけるX線自由電子レーザー施設のプロトタイプ機として建設されたSCSS試験加速器は、極端紫外領域(波長50 nm~60 nm)のSASEレーザー光を発生する光源として、2008年度より本格的なユーザー利用実験のための運用が開始された。2008年度は海外の研究グループを含む計11の研究グループが利用実験を行い、1年間の総運転日数は95日(運転時間840時間)であった。この間のマシン稼働率は96%であり、1年を通して極めて安定な飽和状態の極端紫外レーザー光をユーザーに提供することができた。本学会では、SCSS試験加速器におけるユーザー運転の現状について報告する。

 
FPACA02 シンセサイザーを用いた高周波振幅・位相信号検出器の校正方法 869
 
  • T. Ohshima, H. Maesaka, N. Hosoda, S. Matsubara, Y. Otake
    理化学研究所
 
 

XFEL/SPring-8では、加速空洞の高周波振幅変動を1E-4、位相精度を50fsに維持しなければならない。そのために我々は、IQ変調器・検出器、DAC/ADCの開発を行った。しかし、例えば加速高周波5712MHzのIQ検出器の読み取り振幅偏差は、移相2πの範囲で±1.8%であった。ビーム調整では、この偏差があると移相により振幅が変り不便である。そこで、以下に述べる移相に対する振幅変動最小化の補正法を開発した。IQ検出器への基準信号とは異なった周波数の検出信号を入力することで位相スイープを行い、誤差の測定を行う方法である。この方法で得られた誤差値によりIQ検出特性を補正したところ、前記の振幅偏差は2πの範囲で±0.17%に抑えることができた。この値は、前記の要求振幅変動の1E-4以上だが時間変化しないので、位相制御性としては十分である。本発表では補正方法の詳細と結果について述べる。

 
FPACA35 C-Band RFパルスコンプレッサー量産経過報告 1027
 
  • K. Okihira, F. Inoue, S. Miura
    三菱重工業株式会社
  • H. Maesaka, T. Inagaki, T. Shintake
    理化学研究所
 
 

理研播磨研究所で建設中のX線自由電子加速レーザー(XFEL)では、クライストロン出力をRFパルスコンプレッサーでより高いピークパワーの高周波に圧縮し、加速管に送られる。XFEL計画では計64台のC-Band RFパルスコンプレッサー(パルス圧縮器)を据付ける予定であり、2009年6月現在、41台の製作・RF計測が完了した。 パルス圧縮器は高い周波数安定度が要求されるため、量産途中でパルス圧縮器RF特性を調整するチューナ構造を見直し、再調整を実施た。その結果、パルス圧縮器RF特性は非常に安定しており、理研殿テストベンチでのハイパワー試験の結果、設計通りの増幅率が得られた。 今後、2009年末迄にパルス圧縮器64台の製作を完了させる予定である。

 
FPACA34 Cバンド加速管量産中間報告 1024
 
  • S. Miura
    三菱重工業株式会社
  • T. Shintake, T. Inagaki, H. Maesaka, N. Azumi
    理化学研究所播磨研究所
  • S. Matsui, H. Kimura
    高輝度光科学研究センター
  • H. Matsumoto
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

三菱重工では2002年から2005年にかけて、理化学研究所播磨研究所殿向けに、Cバンドチョークモード加速管4本を開発、製作した。本加速管らは、SCSSテストライナックに使用されており、軸上電界37MV/mで安定に稼動している。 2007年より、理化学研究所殿X-FEL計画向けにCバンドチョークモード型加速管128本の量産を開始し、2009年6月現在で86本の生産を完了した。これらの加速管のうち何本かは、RFエージングを理化学研究所殿で実施され、軸上電界40MV/mで問題なく運転できることが確認されている。これらの加速管量産中間結果について報告する。

 
WPBDA13 EUV-FELパルスの到達時間の直接測定の試み 233
 
  • S. Matsubara, H. Maesaka, T. Ohshima, S. Inoue, N. Hosoda, K. Tamasaku, T. Togashi, M. Nagasono, A. Higashiya, M. Yabashi, Y. Otake
    理化学研究所 X線自由電子レーザー計画推進本部
 
 

理化学研究所が推し進めるXFEL計画の加速器では、50fs精度のタイミングシステムが必要である。XFELの原理実証用の試験加速器においては、タイミングシステムの時間基準信号と加速器の電子ビームの同期精度が、rmsで50 fs程度であることが確認されている。しかしながら、実際にユーザが使用するEUV-FEL光と時間基準信号との同期性を評価する手法がなく、この手法の確立が急務である。この手法を確立する最初の試みとして、波長60nmのEUVパルスのタイミングを真空用高速PDを用いて直接観測する方法を試験した。大ピーク強度の光を直接観測することで、高いS/Nが期待できる。この試験では、PDによる時間基準信号に対するジッタの測定限界が2.5 ps(rms)であるこが判った。この結果は、先に述べた50fsの測定精度には及ばないが、パルスEUV光のタイミング調整が簡便に行えることを証明するものである。

 
WOACB03 XFEL/SPring-8のタイミング・低電力RFシステムの建設状況 401
 
  • N. Hosoda, T. Ohshima, H. Maesaka, S. Matsubara, K. Tamasaku, Y. Otake
    理化学研究所 X線自由電子レーザー計画推進本部
  • M. Musha
    電気通信大学レーザー新世代研究センター
 
 

XFELを安定発振するためには、RF系を時間変動50fs、振幅変動0.01%で駆動することが要求されている。(値は全て標準偏差。)これを実現するために我々は、タイミング・低電力RFシステム全体について温度安定化に特に配慮し、光ファイバー網を含む全てのモジュールを、温調水を用いた水冷ダクトやラックに入れる設計にした。その温度変動は0.05Kを実現している。例えばクライストロン駆動アンプの温度計数はそれぞれ260fs/K、0.8%/Kであり、要求を満たすための温度安定度は0.2K、0.01Kである。水冷ラックにより、時間変動については要求を達成している。振幅変動については不十分とも思えるが、測定値は測定系の誤差や分解能で制限された値であり、試験加速器では4Kの変動位まではレーザー発振をしているので、実際の値はもっといいと考えている。今回は温度安定化に的を絞りながら、建設状況を報告する。

 
TOLSB02 XFEL/SPring-8のポンプローブ実験ための1550nm時間基準コムレーザー駆動によるポンプ用800nm帯域レーザーの開発 723
 
  • Y. Otake, N. Hosoda, H. Maesaka, S. Matsubara, T. Ohshima
    理化学研究所 X線自由電子レーザー計画推進本部
 
 

XFEL/SPring-8のX線自由電子レーザーと通常レーザーによるポンププローブ実験では、X線のパルス幅が30fsなので、それよりも十分高い両パルスの同期が必要である。従来その同期は、加速高周波の低調波電気信号にポンプレーザーをモードロックしていた。この電気信号によるモードロックでは、信号に含む熱・ショット・外来ノイズで、同期の時間ジッタを数百fsより低くすることが難しい。このため我々は、必要な同期を達成するために、ほぼ電気回路を使用しない同期法を考案した。それは、加速高周波に同期した5712MHz繰り返しで1ps幅以下の1550nm光コムパルスを、ポンププローブ実験で必要な60Hz繰り返しの800nm付近のレーザーに電気光学素子で間引いて、波長変換し、大ピーク強度のレーザーに増幅する方法である。本発表では、手法の基礎的な実証であるパルスの間引きと波長変換に成功したので、それを報告する。

 
TOBDB01 X線自由電子レーザー計画におけるビーム診断システムの開発状況 444
 
  • H. Maesaka, S. Inoue, S. Matsubara, A. Higashiya, T. Ohshima, M. Yabashi, T. Shintake, Y. Otake
    理化学研究所 X線自由電子レーザー計画合同推進本部
  • K. Yanagida, H. Ego, H. Tomizawa
    高輝度光科学研究センター
 
 

X線自由電子レーザー(XFEL)計画で使用するビーム診断システムの開発状況について報告する。XFEL装置では分解能0.5μm以下のBPM ,分解能10μm以下のスクリーンモニタ(SCM),高速でノイズに強いCT,ビームの時間構造を分解能10fs以下で測定するためのRFディフレクタ(RFDEF)が必要となる。これらの要求を満たすため,共振周波数4760MHzのRF-BPM,差動型のCT,オーダーメード光学系のSCM,共振周波数5712MHzのRFDEF空胴を開発してきた。前回報告以降,RF-BPM,CT,SCMについては量産初号機が出来上がったので,SCSS試験加速器においてビームテストをおこなった。その結果,XFELに必要な性能を持っていることの確証を得た。また,RFDEFについては7セルモデルを製作し,低電力RF測定をおこなった。その結果,必要な性能があることを確認した。

 
FOOPH02 SCSS試験加速器におけるSASE-FEL安定化に向けたエネルギーフィードバック 830
 
  • Y. Tajiri, M. Yamaga, S. Tanaka, T. Hasegawa, T. Morinaga, Y. Kano, R. Yamamoto
    高輝度光科学研究センター
  • K. Togawa, H. Maesaka, M. Yabashi, Y. Otake, H. Tanaka
    理化学研究所 XFEL計画推進本部
 
 

XFELシステムの性能実証を目的に、SCSS試験加速器がSPring-8キャンパスに建設され、達成された安定なEUV領域のSASE-FELがユーザー実験に利用されている。精密実験には、レーザー特性の長期に渡る安定性が重要であり、これまでにも、個別のRF機器のピックアップ値に基づくRF位相と振幅の変動抑制や加速器パラメータの精密調整により、レーザーの安定化を図ってきた。しかし、ゲインの厳しい短波長域での長期安定性を常時確保する事は難しく、入射部のビームエネルギーと相関したレーザー出力の変動が観測された。そこで、レーザー特性を極限まで安定化する目的で、ビームのエネルギー変動を直接フィードバックに用い、入射部でのビームエネルギーの安定化、即ち、ビームのピーク電流の精密制御を試みた。本発表では、ビームのエネルギー情報を用いた簡便なフィードバックシステムの概要とその有効性について報告する。