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Hisamatsu, H.

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WOOPE02 KEKB加速器の現状 63
 
  • H. Koiso, T. Abe, K. Akai, M. Akemoto, A. Akiyama, M. Arinaga, K. Ebihara, K. Egawa, A. Enomoto, J. Flanagan, S. Fukuda, H. Fukuma, Y. Funakoshi, K. Furukawa, T. Furuya, K. Hara, T. Higo, H. Hisamatsu, H. Honma, T. Honma, K. Hosoyama, T. Ieiri, N. Iida, H. Ikeda, M. Ikeda, H. Ishii, A. Kabe, E. Kadokura, T. Kageyama, K. Kakihara, E. Kako, S. Kamada, T. Kamitani, K. Kanazawa, H. Katagiri, S. Kato, T. Kawamoto, S. Kazakov, M. Kikuchi, E. Kikutani, K. Kitagawa, Y. Kojima, I. Komada, K. Kudo, N. Kudoh, K. Marutsuka, M. Masuzawa, S. Matsumoto, T. Matsumoto, S. Michizono, K. Mikawa, T. Mimashi, S. Mitsunobu, T. Miura, K. Mori, A. Morita, Y. Morita, H. Nakai, H. Nakajima, T. Nakamura, K. Nakanishi, K. Nakao, S. Ninomiya, M. Nishiwaki, Y. Ogawa, K. Ohmi, Y. Ohnishi, S. Ohsawa, Y. Ohsawa, N. Ohuchi, K. Oide, M. Ono, T. Ozaki, K. Saito, H. Sakai, Y. Sakamoto, M. Sato, M. Satoh, Y. Seimiya, K. Shibata, T. Shidara, M. Shirai, A. Shirakawa, T. Sueno, M. Suetake, Y. Suetsugu, T. Sugimura, T. Suwada, Y. Suzaki, S. Takano, S. Takasaki, T. Takenaka, Y. Takeuchi, M. Tawada, M. Tejima, M. Tobiyama, N. Tokuda, Y. Yamamoto, Y. Yano, K. Yokoyama, M. Yoshida, M. Yoshida, S. Yoshimoto, K. Yoshino, D. Zhou, Z. Zong
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

KEKB加速器は2007年1月に超伝導クラブ空洞を導入し、同年10月以後、順調にクラブ交差による実用運転を行なっている。クラブ交差で高いルミノシティを達成するには、従来のレベルを超えた精密な誤差補正とビーム衝突調整が不可欠である。その一つとして、今期新たに、電子・陽電子両リングに合わせて28台の歪6極磁石を設置し、衝突点における水平垂直結合の運動量依存性を補正したが、この補正が突破口となって、クラブ以前の記録17.6/nb/sを大きく上回るピークルミノシティ20.84/nb/sが達成された。また、1日・7日間などの積分ルミノシティも記録を更新し、現在総積分ルミノシティは953/fbに達している。入射ビームをパルス毎に切り替えてKEKB両リングと放射光リングの3者に同時入射する技術が最近実用化され、衝突調整の効率が向上したことも、今回の成果に繋がっている。

 
FRVAA01 大強度電子・陽電子蓄積リング用アンテチェンバー付き銅製ビームダクトの開発 950
 
  • Y. Suetsugu, K. Shibata, H. Hisamatsu, M. Shirai, K. Kanazawa
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

数アンペアの大電流を蓄積する電子・陽電子蓄積リング用ビームダクトには、ビームからの強烈な放射光に対処できること、ビームインピーダンスが十分低いこと、さらに陽電子リングでは電子雲不安定性を抑制できること、などが要求される。我々は、銅製のアンテチェンバー付きビームダクトを提案し、その実用化に向けて研究・開発を行っている。これまで、引き抜き法によってウィグラー部用のストレートダクトを試作し、同時に開発したベローズチェンバー、BPMブロック等と供にKEKB陽電子リング直線部に設置してビームテストを行ってきた。引き続き昨年来、アンテチェンバー内にNEGポンプを挿入し、また、銅合金製接続フランジを採用したアーク部偏向電磁石、四極電磁石用のビームダクトを試作した。これらは、現在同リングのアーク部に設置されビームテストが行われている。これまで開発してきたビームダクトおよびその試験結果を報告する。

 
FRVAA02 TiNコーティングされた銅製ビームダクトのガス放出特性 956
 
  • K. Shibata, Y. Suetsugu, K. Kanazawa, H. Hisamatsu, M. Shirai
    高エネルギー加速器研究機構
 
 

次世代の陽子/陽電子リングでは電子雲不安定性の対策が不可欠である。ビームダクト内表面への窒化チタン(TiN)コーティングは、電子雲抑制の有効な手段の一つであるが、一方でその高いガス放出率が問題となる可能性がある。そこで我々は、TiNコーティング(厚さ200 nm)された銅製ビームダクトを用いて、ベーキングのガス放出への効果を調べた。まず、ビームダクトを約1時間大気に暴露した後、排気中の圧力及び残留ガス成分を測定した。排気開始から60時間後のTiNコーティングしたダクト内の圧力は、コーティングが無い場合に比べて約5倍であった。そこで、ベーキング温度を変えてガス放出率を比較したところ、80℃以上であればコーティングが無い場合と同等になることが分かった。この温度はビームダクト設置後でもin-situベーキングが十分可能な温度であり、実機にてガス放出を低減する有効な方法と言える。

 
WOVAA01 電極およびグルーブ(縦溝)構造による陽電子蓄積リングビームダクト内の電子雲密度低減 381
 
  • Y. Suetsugu, H. Fukuma, K. Shibata, H. Hisamatsu
    高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設
  • M. Pivi, L. Wang
    SLAC National Accelerator Laboratory
  • M. Tsukamoto, Y. Suzuki, A. Morishige, M. Tsuchiya
    金属技研株式会社
 
 

電子雲によるビーム不安定性の抑制は、近年の陽電子/陽子リングにおいて重要な課題である。ビームダクト内に電極を設置して静電場により電子雲を除去する、いわゆる電子除去電極は電磁石内でも使用可能な解決法である。また、ダクト内表面にグルーブ(縦溝)加工を施して二次電子放出率を実効的に下げる手法も同じく有効な手段である。我々は、内表面に極薄電極、およびグルーブ加工を持った試験チェンバーを製作し、KEKB陽電子リングに設置してこれらの効果を実験的に調べてきた。その結果、TiNコーティングを施した平面と比較して、電極の場合+300V以上印加時に約1/100程度と電子密度の大幅な減少が得られた。また、グルーブ表面(TiNコーティングあり)の場合も、1/10程度の電子密度低減が確認された。磁場中にてグルーブ加工表面の効果を世界で初めて実証した。実機に向けたR&Dを含めてこれらの結果を報告する。